上写真＝起死回生の同点ゴール。エンリケ・トレヴィザンが最後に大仕事！（写真◎小山真司）
■2021年12月12日 天皇杯第101回全日本サッカー選手権準決勝（＠等々力/観衆17,595人）
大分 1-1（PK5-4）川崎F
得点者：（大）エンリケ・トレヴィザン
（川）小林悠
「サポーターに恩返しができました」
パワープレーに勝負をかけていた。延長戦は120分まで。川崎フロンターレに先制されたのは113分のことだった。「点を取らなければ勝てないから、取られて0-1が0-2になっても同じ」と片野坂知宏監督は明快だった。延長後半から送り込んでいた長沢駿に加えて、センターバックのエンリケ・トレヴィザンも前線に上げた。192センチと185センチのツインタワーの登場である。
すると、120＋1分、下田北斗が右から上げた左足の高速クロスにジャンプ一番、エンリケ・トレヴィザンがヘッドでたたくと、きれいな弧を描いたボールがゴール右に吸い込まれていった。
「北斗はいつもいいボールを出してくれていたし、今日は自分が決めてやると思っていました。その結果，決められてよかった」
1-1で試合を終えると、PK戦では4人目でGKチョン・ソンリョンの動きを見切って落ち着いて左に流し込んだものの、7人目までもつれ込む緊迫の展開となった。それでも最後はGK高木駿が止めて勝ち抜いた。
この日は4バックを採用して、ペレイラとセンターバックを組んだ。同じブラジル人のレアンドロ・ダミアンをうまく2人で受け渡しながらノーゴールに抑え切った。
「Jリーグの成績を見てもチャンピオンで得点王で、最優秀選手でもある。輝かしいキャリアを持つ選手と対戦できて、ゼロで抑えたのはうれしいです。チーム全体で抑えることできたと思います」
これでクラブ史上、初めての天皇杯決勝進出だ。12月19日に浦和レッズと決戦。
「きょうの勝利はサポーターに恩返しができました。いつも応援してくれた熱量を勝利にしてお返しできてよかった」
「ユニフォームに星を刻めるようにがんばります」
1週間後、もう一度、もっと大きな喜びでお返ししたい。
取材◎平澤大輔 写真◎小山真司