Jリーグは12月6日、年間表彰式の『2021Jリーグアウォーズ』を開催した。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、今季のベストイレブン受賞者にインタビューを実施。J1連覇を達成した川崎フロンターレからは7人が選ばれたが、東京オリンピックにも出場し、日本代表にも選出されて充実のシーズンを送った旗手怜央が、うれしい初受賞の喜びを語った。

本当に自分らしいプレーが詰まったゴール

Jリーグアウォーズで川崎Fからともにベストイレブンに選ばれたメンバーと。ジェジエウは欠席(写真◎J.LEAGUE)

――ということは、2020年と同様の5ゴールという数字は少なかったという思いでしょうが、とはいえ、どれも印象的でした。3月の仙台戦では右から勢いよく蹴り込み、浦和戦ではジョアン・シミッチのスルーパスをGKの股下を狙って流し込みました。4月の名古屋戦ではレアンドロ・ダミアンの落としを強烈に突き刺し、9月の湘南戦で山根視来のクロスにヘッドでていねいにゴール右へ。最後は11月のガンバ戦でマルシーニョの左からの折り返しをヘッドで押し込みました。月並みな質問ですが、ベストを選ぶとしたら?

旗手 試合の状況にもよりますけど、一番となるとやっぱり仙台戦(3月6日第2節のアウェーゲーム。5-1で勝利)のゴールじゃないかなと思います。ペナルティーエリアの外から中まで自分でドリブルで運んで、思い切りよくシュートを打つという、本当に自分らしいプレーが詰まったゴールかなと思いますね。

――相手の寄せの甘さを見抜いて持ち出したし、シュートもパワーもスピードも申し分なく、しっかりコースも左に狙いを定めて決めました。

旗手 左サイドバックがあそこにいる時点で、もうおかしいですけどね(笑)。でもそこは本当に自分の良さというか、逆に相手が予想しないようなところにいて、ゴールを決めるという、どこをやっても自分らしく、が出たシーンでした。

――左サイドバックの選手が右に回って突破して決める、という点で、まさにどこからでもゴールを狙う男、を実践したものでしたね。ところで、振り返って思い出すのは、今年は背番号を47に変更して臨んだこと。シーズン序盤には、その理由と覚悟をはっきり口にしていたのが印象的でした。

旗手 高校3年間(静岡学園高)の練習試合でつけていた愛着のある番号です。今年は覚悟を持って臨んだプロ2年目でした。プロ1年目だった去年の成績がまぐれではなく、それを証明するために今年1年が勝負だと思っていたからです。だから、思い入れのある番号をつけさせてもらいました。

――もちろん、背番号が変わったことが活躍の原因だったというわけではありませんが、それが一つの契機となって意識の面に影響を与えたことが、今年の活躍を彩る物語としてつながっていくようにも思えます。

旗手 背番号を変えてこのような結果を残せたのは、僕自身、すごくうれしく思いますし、ストーリー的にはいいんじゃないかと思います(笑)。

――ますますの活躍に、期待ばかりがふくらむシーズンでした。

旗手 ありがとうございます。また頑張っていきます!

構成◎平澤大輔

Profile◎はたて・れお/1997年11月21日生まれ、三重県鈴鹿市出身。FC四日市ジュニア-FC四日市のあとに名門・静岡学園高に進み、順天堂大を経て2020年に川崎フロンターレへ(18年、19年は川崎Fの特別指定選手)。20年のルーキーイヤーにいきなり頭角を示し、31試合5得点でJ1と天皇杯の2冠に貢献した。21年は背番号を30から47に変更してレギュラーとして大活躍。東京オリンピックにも出場し、日本代表にも選ばれるなど(出場はなし)、リーグを代表する選手に成長して、初めてJリーグベストイレブンに選ばれた。171cm、70kg。