FC東京は11月10日、森下申一GKコーチが今季最後まで監督に就任することを発表した。11月6日の明治安田生命J1リーグ第35節で横浜F・マリノスに0-8で敗れ、翌日に長谷川健太監督が辞任していた。急きょ引き継ぐ形となり、残り3試合で「熱い試合をして3連勝あるのみ」と誓った。

上写真=森下申一監督が残り3試合を率いる。左は安部柊斗(写真提供◎FC東京)

「後ろから見た絵は必ず持っている」

 11月6日、横浜F・マリノス0-8FC東京。

 11月7日、長谷川健太監督辞任。

 首都のクラブが大きく揺れ動いた週末になった。そして、11月10日に森下申一GKコーチが引き継ぐ形で、J1の残り3試合を監督として率いることが発表された。

「突然の監督要請で、非常にショッキングな出来事のあとでしたので、すぐに返事できませんでした。しかし、残り3試合でここまでやって来たサッカーを少しでも選手に伝えてそのままシーズンを乗り切りたいと思い、コーチングスタッフも残っているので私がやるのが最善ではないかと思いました」

 森下監督は驚きの要請をそう振り返る。決めたからには「選手とともに熱い試合をして、3連勝あるのみです」とサポーターに誓った。

 日本ではGK出身の監督は数少ない。ひとまず3試合とはいえ、その点でも重要な意味を持つ就任になるだろう。

「海外ではキーパー出身の監督さんも多いですが、日本ではなかなか監督に移行するタイミングがなく、私もトライするときがありませんでした。ですから、こういう機会をいただいて、後ろから見た絵は必ず持っているので、全体を見ながらサッカーを構築できればいいと思っています。勝たせるサッカーをしていきたい」

 古矢武士トップチームマネジメント部長も「キーパーならではの落ち着きというか、最後はオレが守るんだという、どしっとした構えがあります」と、その安定感、安心感の部分にも残り3試合を託した。

 ただもちろん、簡単なミッションではない。前節で8失点というチームワースト記録で敗れた。

「大きく変える時間はないので、長谷川監督のサッカーをベースにやっていきたい。自分から見て改善すべき部分はしていこうと思っています。前節のショッキングな出来事を踏まえて、守備の改善はしていかないといけないですし、精神的な回復をしていかなければと思っています」

 継続路線の中で、守備の改善については中央のエリアでの厳しさを求めていく。

「(前節は森重真人の退場で)10人になって中をやられてしまった印象が強いです。締めていくところが改善ポイントになると思いますので、この3試合はしっかりした守備からいい攻撃に移りたい。そこは選手にお願いしているところです」

 精神的な部分については、GK波多野豪が複数のミスを犯して失点に直結しており、監督としてはもちろん、これまでのGKコーチの目線からもケアしていく。

「いろいろなことを言いながら波多野にはやらせてきましたから、(監督になっても)そこは変わらずやっていきたい。足りないことがたくさんあるのは承知でプレーさせていたこともありますが、彼にとってもショッキングだったと思います。でも、必ず立ち直ってくれると信じていますし、これをバネにして成長してほしいと思っています」

 余計な修飾のない、シンプルだが力強く響く言葉。それが「森下監督」の第一声だった。

森下申一(もりした・しんいち)
■生年月日:1960年12月28日
■出身:静岡県
■選手歴:静岡学園高 → 東京農業大 ⇒ ヤマハ発動機/ジュビロ磐田 → 京都パープルサンガ(現 京都サンガF.C.)
■指導歴
1998-2000 京都パープルサンガ GKコーチ
1999-2006 ジュビロ磐田 GKコーチ
2007-2008 京都サンガF.C. GKコーチ
2009-2013 ジュビロ磐田 GKコーチ
2014 ジュビロ磐田U-18 GKコーチ
2015 栃木SC GKコーチ
2016-2017 ガンバ大阪 GKコーチ
2018 INAC神戸レオネッサ GKコーチ
2019-2021 FC東京 GKコーチ