明治安田生命J1リーグで川崎フロンターレが連覇に王手だ。2位横浜F・マリノスの結果次第ではあるが、11月3日の第34節で浦和レッズに勝つか引き分ければ可能性がある。そんなV目前の状況でも、山根視来のテンションは変わらず、攻めて勝利をつかむつもりだ。

上写真=直近の天皇杯鹿島戦では軽やかに右サイドを崩した。浦和戦でも駆け抜ける(写真◎小山真司)

「僕たちも攻撃的なサッカーを目指している」

 やはりこの人でないと、と思わせたのが、10月27日、天皇杯準々決勝の鹿島アントラーズ戦だった。川崎フロンターレの右サイドバック、山根視来。

 川崎Fは執拗なまでに右サイドを崩した。家長昭博、脇坂泰斗とともに、鹿島の左サイドバック安西幸輝と左センターバックの町田浩樹の間、左ボランチのディエゴ・ピトゥカの後ろを狙った。

「脇坂選手、山根選手、家長選手の三角形で嫌な位置を取ってきたと感じました。僕の感覚では(奪いに)行こうとした、というよりは、行けなかったという感覚です」

 安西の困惑は、山根と仲間たちにとっては最高の褒め言葉だろう。

 鬼木達監督も試合後に「チームとして崩しのところは言い続けています。頭ではわかっていても、走れるかどうかですが、今日はいろいろなところで背後へのランニングをかけてくれました」と納得の表情だった。何度も裏に走り抜けるのは、山根の得意とするところだ。

「あんまり深く考えてやっていない」と山根は笑うが、中を攻めて閉じられれば外へ、外がダメなら中へ、の意思統一はできているという。

 そんな好調の中で迎えるのが、J1第34節の浦和レッズ戦だ。川崎Fが勝って、2位の横浜F・マリノスがガンバ大阪に引き分け以下、もしくは川崎Fが引き分けて、横浜FMが黒星だったら連覇が決まる。

「リーグ戦なのでただの1試合に過ぎないと思っています。目の前の試合に対して、いままで通り勝ち点3を目指してやるだけです」

 優勝そのものに対して特別視はしないが、目の前の試合に勝つということには並々ならぬ意欲を示す。浦和はサイドバックの山中亮輔、汰木康也と左サイドが好調だ。山根は対面に立つ2人をどう制するのか。

「その2人の選手の特徴ははっきりしているので、しっかりチームで準備して対応したいと思います」

 あくまでグループで抑え込む考えだ。ただ、守り抜く、というイメージとは違うかもしれない。

「でも、僕たちも攻撃的なサッカーを目指しているので、守備のことを考えるよりは、押し込んで相手陣地でサッカーができるような展開にしたい」

 これこそ、川崎Fが誇る「いつも通り」。