セレッソ大阪FW山田寛人が、JリーグYBCルヴァンカップ決勝進出への思いを語った。準決勝第1戦では貴重な同点ゴールを決めており、高校生のときに見た歓喜の舞台へ、自らも勝ち上がるべく意気込んでいる。

上写真=第1戦で同点ゴールを決めた山田。ホームで決勝進出を決められるか(写真◎CEREZO OSAKA)

第1戦では「『ゆりかご』を忘れていた」

 10月6日の準決勝第1戦で浦和レッズとアウェーで対戦したC大阪は、前半に先制されたものの、66分に山田が同点ゴールを決めて1-1で引き分けた。第2戦を翌日に控えた9日、練習を終えてオンライン取材に応じた山田は「アウェーゴールを取れたことが大きかった」と振り返り、「負けで終わりたくなかったので、すごく大きかった」と自らの得点について語っている。

 第1戦は貴重な働きを見せた一方、前半に決定機を相手GKに阻まれ、後半にはシュートがクロスバーに当たる場面もあった。逆転勝利も可能な内容だっただけに「決め切らければいけない」と反省点を挙げたが、「ああいう良いプレーができると、自分の調子も上がっていく。モチベーションを上げるプレー、自分がやりたいプレーを試合中に増やしていくことで、その後のプレーが良くできたのかなと思う」と前向きに捉えている。

 10日にホームで行なわれる第2戦は、0-0の引き分けでも勝ち抜ける優位な状況だが、「守りに入って、ずるずる下がっても(ボールを)持たれる時間が長くなるだけ」と指摘。前線からプレッシャーをかける必要性を強調し、「守備がうまくはまれば、自分たちが(ボールを)持てる時間も長くなる。その時間をどれだけ増やせるかが大事」とポイントを挙げた上で「もちろん得点も狙っていきたい」と意欲的だ。

 C大阪がルヴァンカップで初優勝を果たした2017年は、C大阪U-18所属の高校3年生だった。「チームの一体感や、サポーターの喜びも覚えている」と当時を思い出し、「あこがれの舞台。いま自分がその立場にいることを、(トーナメントを)上に上がってくるにつれて実感している」と心境を明かした山田は、「決勝という舞台が目の前にあるので、全力でつかみ取りたい」と言葉に力を込めた。

 第1戦での同点ゴールは、MF坂元達裕のアシストから決めた。その坂元は8日、クラブを通じて第一子となる女の子が誕生したことを発表したが、チームメイトは第1戦の前に知っていたという。ところが山田は「試合前に『ゆりかご』をやると言っていたんですけど、忘れていました。すみません」と苦笑い。自分の2試合連続ゴールでなくとも、誰かが決めて、2試合越しの『ゆりかご』ポーズが見られるか注目だ。