10月最初の試合となった1日の明治安田生命J1リーグ第31節。湘南ベルマーレが横浜F・マリノスを迎えて「神奈川ダービー」が行われた。湘南がペースを握り続けた試合だが、勝ち点3を奪ったのは横浜FMのほう。後半に一瞬のスキを逃さずに前田大然が決めて、首位に食らいつくために貴重な勝ち点3を手にした。

上写真=苦しみながら前田大然(38)の1点で逃げ切った横浜FM。川崎Fを追いかけるために重要な勝ち点3に(写真◎J.LEAGUE)

■2021年10月1日 明治安田生命J1リーグ第31節(@レモンS/観衆5,190人)
湘南 0-1 横浜FM
得点者:(横)前田大然

「選手に申し訳ない90分でした」と山口監督

 勝負は一瞬で決まった。

 湘南ベルマーレに主導権を握られ続けた横浜F・マリノスが64分、マルコス・ジュニオール、杉本健勇、仲川輝人を一気に投入する交代策で起死回生を狙う。そのわずか2分後に答えが出た。

 右サイドでつないでいきながら、相手にボールがこぼれる。仲川はあきらめなかった。そのまま追いかけていき、ボールを奪って深くまで進入するとマイナスへ、そこへ「信じていた」と入ってきた前田大然が左足を伸ばして押し込んで、ついに均衡を破った。

 横浜FMのケヴィン・マスカット監督が試合後に「不思議な試合だった。テンポを作り出すことができなかった」と語ったように、試合の多くの時間は湘南のもの。降格圏内に1ポイント差と残留へ向けて勝ち点がほしいホームチームが、首位の川崎フロンターレにしがみつきたい2位のアウェーチームを押し込んだ。

 特に左サイドの畑大雅の俊足が横浜FMを困らせた。11分には山田直輝とのワンツーで、37分には快足ドリブルで左を割る攻撃でリズムを作った。30分には自陣で横浜FMの攻撃をストップ、ウェリントンを経由して裏に抜け出した町野修斗がGK高丘陽平と1対1の場面を迎えたのが、前半の最大のチャンスだった。

 これを止めた高丘だが、横浜FMはとにかくボールのめぐりが悪かった。台風16号の影響で試合前は大雨だったが、ボールが止まるほどピッチコンディションがひどいわけではなかった。33分にエウベルが右サイドを抜けたところを、畑に今度は守備で俊足を生かされて追いつかれチャンスにできず、37分には左で前田が抜け出すものの、杉岡大暉のスライディングに防がれた。

 後半に入っても構図が大きく変わらなかったが、それをひっくり返した大きなきっかけが3枚替えの交代策。1-0でリードすると、今度は仲川が押し込んでいって、対面の畑を抑え込む格好になった。

 湘南にとっては、悔いばかりが残る試合。前節の川崎フロンターレ戦に続いて押し込みながら勝ちきれず、山口智監督の「残念で悔しくて、選手に申し訳ない90分でした」の言葉の通りの内容と結果に。横浜FMの攻撃サッカーへの分析と対策も効果を発揮していただけに、「いまのままで内容がいいからということではなく、結果につなげる厳しさを持っていかなければ」と一瞬のエアポケットに泣いた敗戦となった。

写真◎J.LEAGUE