セレッソ大阪DF進藤亮佑が、5カ月ぶりの復帰戦でチームを勝利に導く活躍を見せた。右SBで先発出場し、後半に鋭い攻め上がりから決勝ゴール。負傷明けながらも、初めてプレーするポジションで持ち味を発揮している。

上写真=55分に先制点を決めた進藤は会心の表情でベンチへ走る! これが決勝ゴールとなった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年9月22日 J1リーグ第32節(@Eスタ:観衆3,905人)
広島 0-1 C大阪
得点:(C)進藤亮佑

「戸惑いはなかった」

「長い間、試合に出ていなかったので、この試合に対する気持ちはもちろん強かったですが、いままで通り、いままでやってきた試合と同じような気持ちで臨むことを意識していました」

 試合後のオンライン会見で、試合に向かうにあたっての思いを明かした。9月22日に前倒しで開催された明治安田生命J1リーグ第32節。進藤はアウェーでのサンフレッチェ広島戦に先発出場し、5カ月ぶりの復帰戦に挑んだ。

 北海道コンサドーレ札幌から完全移籍で加入した今季、4月に入って先発出場の機会をつかんでいたが、右足の違和感で戦列を離れ、最終的に6月3日に手術を実施。右足関節後方インピンジメント症候群で全治5~6週間と診断され、リハビリを続けていた。

 9月15日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16と、18日のJ1第29節で控えに入り、復帰が近づいてきた中での先発出場。4バックの右SBでのプレーは「初めてだった」というが、「去年まで札幌で右のストッパーで、攻撃のときは高い位置を取っていた。似たような動きはやっていたので、そんなに戸惑いはなかった」と振り返る。

 55分、MF原川力にパスが渡る少し前から、するすると右サイドを攻め上がってエリア内に侵入。原川のロングパスを中央で待っているMF坂元達裕に胸で落とすと、坂元が反転からシュートを打とうとする直前、自ら左足を振り抜いてゴール右スミへ蹴り込んだ。「前に出ていくパワーは自分の良さだと思っているので、出そうと思っていた」という思いを体現する先制点。チームにとって公式戦4試合ぶりの得点が、そのまま決勝ゴールとなった。

 前節までACLラウンド16を含めて公式戦3試合連続の完封負け。勝利から遠ざかっていたものの、「チームの一体感はある」と明かす。「もう少し練習の中で厳しさが必要かなと思いますが、それも含めてチームの良さだと思う」と語り、「自分の良さをピッチ内外で発揮できるように、そして勝利に貢献できるようにやっていきたい」と決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英