9月22日の明治安田生命J1リーグ第32節で、サンフレッチェ広島とセレッソ大阪が対戦。前節まで公式戦3試合連続で完封負けしていたC大阪が、後半に4試合ぶりの得点を挙げ、守っても相手を完封してリーグ戦3試合ぶりの勝利を収めた。

上写真=C大阪が4試合ぶりの得点を守り切り、アウェーで広島に勝利(写真◎J.LEAGUE)

■2021年9月22日 J1リーグ第32節(@Eスタ:観衆3,905人)
広島 0-1 C大阪
得点:(C)進藤亮佑

・広島メンバー◎GK林卓人、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MF柏好文(76分:森島司)、茶島雄介、ハイネル(56分:青山敏弘)、藤井智也(56分:東俊希)、浅野雄也、エゼキエウ(56分:柴﨑晃誠)、FWドウグラス・ヴィエイラ(71分:ジュニオール・サントス)

・C大阪メンバー◎GKキム・ジンヒョン、DF進藤亮佑、西尾隆矢、瀬古歩夢、小池裕太、MF奥埜博亮、原川力、坂元達裕(90+4分:西川潤)、乾貴士(81分:高木俊幸)、FWアダム・タガート(62分:山田寛人)、加藤陸次樹(81分:大久保嘉人)

負傷明けの進藤がゴール

 朝は雨が降っていた広島地方だが、その後は天候も回復して快晴の一日に。日が沈んだ後は風が涼しくなり、公式記録で湿度は78パーセントと高かったものの、気温21・6度という快適な観戦環境下でキックオフを迎えた。

 序盤からお互いに最終ラインの背後を突き、ゴールに迫るシーンを作った。広島は6分にドウグラス・ヴィエイラが縦パスに合わせて抜け出し、至近距離から右足で狙ったがC大阪GKキム・ジンヒョンがブロック。C大阪も8分に加藤がゴール前のパスに反応するも、広島GK林がエリア外まで飛び出して足でブロック、続くアダム・タガートのシュートも体で止めた。

 C大阪は21分にも、中央でパスを受けた乾がエリア外から右足で狙ったが、これもGK林がセーブ。飲水タイム後はC大阪にセットプレーのチャンスが多くあったものの、スコアレスで前半を終えた。

 後半も立ち上がりから双方に惜しいチャンスがある展開となったが、55分にC大阪が均衡を破る。原川がエリア内に走り込んだ右SB進藤にロングパスを送ると、中央で待つ坂元に胸で落とした進藤が、そのまま坂元と重なりながらも左足を振り抜き、鋭いシュートが右スミへ。負傷離脱を経て4月以来のリーグ戦出場となった進藤が、復帰戦で貴重なゴールを決めた。

 広島は失点直後の選手交代で3人を同時に送り込み、攻撃の活性化を図るが、なかなか良い形を作れない。C大阪もカウンターで追加点のチャンスがあったが、決めることができないまま時間が過ぎた。

 終盤は広島がゴールへの圧力を強め、粘り強くパスをつなぎながらゴールに迫った。86分には佐々木の縦パスを受けた浅野がエリア内に侵入、一度は守備陣にブロックされながらも蹴り込んで同点かと思われたが、抜け出したシーンがオフサイドの判定で取り消しに。結局、そのまま1点を守り切ったC大阪が勝利をつかんだ。

 リーグ戦とAFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16を合わせて公式戦3試合連続で完封負けしていたC大阪は、4試合ぶりの得点が決勝ゴールに。8月中旬から週2試合ペースの13連戦という過密日程を戦っており、その12試合目という疲労がピークの状況で勝ち点3をつかんだ。小菊昭雄監督は「連戦の中、かなり疲弊している選手もいたが、全員がメンタルとコンディションをしっかり整えてくれて、素晴らしい内容で勝利できた」と称え、「普段出ていない選手もパフォーマンスを発揮してくれた。チーム力で勝てたことをうれしく思う」とリーグ戦3試合ぶりの勝利を喜んでいた。

現地取材・写真◎石倉利英