浦和レッズは18日、J1第29節でセレッソ大阪と対戦し、2-0で勝利を飾ったが、試合のすう勢を決める先制ゴールを挙げたのが江坂任だ。今夏に柏レイソルから加入したアタッカーは、欠くことのできない存在になりつつある。

上写真=C大阪戦で先制ゴールを決めた浦和の江坂任(写真◎山口高明)

■2021年9月18日 明治安田生命J1リーグ第29節(@埼玉スタ/観衆4,887人)
浦和 2-0 C大阪
得点:(浦)江坂任、汰木康也

良いランニングできた良いゴール

 浦和にとっては、やりたいことをやりたいように実践できた、そんな試合になった。しっかりポジションを取ってビルドアップし、相手ゴールに迫っていく。崩しの局面でも選手が同じ絵を描き、連動。リカルド・ロドリゲス監督が就任した今季、キャンプから積み重ねてきたものがピッチで表現された。

 その象徴となったのが、先制ゴールの場面だ。前半10分にボランチの平野が関根貴大にパスを送り、ピッチ中央よりやや右のハーフウェーラインを越えたところから関根は斜めにスルーパスを送った。手前の小泉佳穂がボールを触れず、その背後を走っていた江坂が収めて決めた。複数人が絡んだゴールについて、フィニッシュを担当した江坂も手ごたえを語っている。

「ボールを運ぶ段階で、各ポジションで良い位置を取れていたので、うまくボールも回っていました。その中で関根選手が良い状態で前を向けた。自分も相手の背後から良いランニングができて良いゴールになったと思います」

 開始早々の江坂のゴールは、チームの取り組みが間違っていないことの証明とも言えた。指揮官も「過程が良かった良いゴールが取れた」と称賛している。

 江坂はこのゴール以外の場面でも攻守に躍動した。攻撃では機を見て下がってビルドアップに関わり、ゴール前にきっちり入り込んで相手の脅威になった。守備では小泉とともにプレスのスイッチを入れ、C大阪にプレッシャーをかけた。今夏加入したばかりだが、その働きぶりはシーズン当初からチームにいるようだ。

「自分たちがやりたいサッカー、しっかりボールを握りながら、勇気を持って前進しながらゴールを目指すことができた。その中で複数得点を取れて、(失点を)ゼロで抑えて勝てたので良かったです」

 リーグ中断明けの札幌戦(23節)で浦和デビューを飾った江坂は、ここまでJ1では7試合に出場し、2ゴールを記録。先発は5試合だが、ベンチスタートの2試合も後半から登場しており、その起用法を見れば指揮官がいかに信頼しているかが分かる。この間のチームの成績は5勝1分け1敗。いまチームが好調な理由の一つとして、間違いなく江坂任の存在がある。