横浜FCが9月18日に戦うのが、明治安田生命J1リーグ第29節のFC東京戦。瀬古樹は前節は出場停止処分で欠場したから、その分もと活躍を誓う。そして、明治大時代の同期、安部柊斗との勝負にも負けるわけにはいかないのだ。

上写真=瀬古樹がFC東京戦でイメージするのは、レアンドロへのパスの供給を止めることだという(写真◎J.LEAGUE)

「失うものはなにもない」

 横浜FCのボランチ、瀬古樹は9月18日のJ1第29節FC東京戦に特別な思いを持って臨む。一つは、仲間への謝罪。

「柏戦では退場してしまってみんなに迷惑をかけてしまったので、出場するチャンスをいただけたら勝たせられるようにやろうと思っています」

 第27節の柏レイソル戦で試合終了間際に危険なスライディングでレッドカードを食らった。柏の激しい球際と納得のいかないジャッジでチーム全体に不満がくすぶる中での出来事ではあったが、猛省した。だからこそ、その分も仲間のために戦うという覚悟がある。

 もう一つが、安部柊斗の存在だ。FC東京で成長著しいこのボランチは、明治大の同期である。

「僕が4年間、お手本にしてきた選手なんです」

 瀬古は大学時代、4年生になって試合に出られるようになったが、安部はそれ以前から上級生とともにプレーしていて、同期と言えども追いかける存在だったのだという。「だから、敵として対峙できるのは幸せなことですし、楽しみながらも負けられない試合」なのだ。

 FC東京に対するイメージは堅守とカウンターだというが、ボランチとして止めるためには前線へのパスの出どころを抑えることだと集中している。「キーになるのはレアンドロ選手で、そこに入れさせないように」がイメージだ。

 そして、そのレアンドロにボールを渡すことが多いのが、いま好調の安部なのである。

「彼の特徴は激しい球際や、前の選手につけてそこから追い越していくプレーだと思っています。同期の仲間だから試合はチェックしているんですけど、自分がそれを阻めるようにという意識を持ちながら東京とやるときはイメージしていますし、レアンドロを経由しての攻撃は印象的なので、その出どころを防ぐことをボランチとしてやりたいと思っています」

 順位は最下位。「失うものはなにもない」と前だけを向いている。一つでも多く勝利を重ねて降格を避けたい。そのためにいまはまず、FC東京の攻撃を阻むために同期を止めてみせる。