上写真＝槙野智章が劇的なゴールを決めてこの誇らしい表情（写真◎J.LEAGUE）
■2021年9月5日 JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝第2戦（＠等々力/観衆4,936人）
川崎F 3-3 浦和
得点者：（川）レアンドロ・ダミアン、山村和也、ジョアン・シミッチ
（浦）江坂任、キャスパー・ユンカー、槙野智章
「あとはオレがやってやる」
「FW槙野智章」の一撃で、浦和レッズがベスト4！
川崎フロンターレと激突したルヴァンカップ準々決勝第2戦。アディショナルタイム2分にピッチに送り込まれた槙野がその2分後に、劇的すぎる同点ゴールを決めてみせた。左CKの流れで右からアレクサンダー・ショルツが折り返し、GKチョン・ソンリョンのパンチングが小さくなったところを右足で蹴り込んだ。第1戦1-1、第2戦で3-3として、2試合合計4-4、アウェーゴールで上回って4強入りだ。
リカルド・ロドリゲス監督が「奇跡を起こすことを考えた」と語った最後のカード。しかし、送り込まれた槙野は練習の成果だと胸を張る。
「日頃の全体練習後のシュート練習はJリーグの中でも3本の指に入るくらいしていますので、感覚と元フォワードというシュートセンスから生まれたゴールかなと思います」と笑顔で胸を張る。前日にリカルド・ロドリゲス監督と話をして、この試合で先発起用がないことを告げられていたが、「冗談でフォワードで準備しておきますよと言っていたんです」。それが現実になるのだから、サッカーは本当にわからない。
この試合は8分と早い時間に先制して優位に試合を進めていたが、槙野は長年の勘から「嫌な予感がしていた」という。それが図らずも当たってしまって、一時は1-3にまでスコアを引き離された。ベンチからは、ピッチの選手たちに元気がなくなったように見えていた。しかし、「キャスパー・ユンカー選手が決めてからみんなの表情が変わりました」と87分に2-3にしてから再び勢いが増したことを感じていた。
「やってやるぞ、まだあきらめないぞという気持ちがそこで見受けられたので、その表情を受け取って、あとはオレがやってやる、という思いで入りました」
準決勝の相手はセレッソ大阪に決まった。
「決勝は埼玉スタジアムで行われると聞いていますが、その舞台にホームチームが立たないと」
優勝した2016年以来の決勝進出に、いまから燃えている。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE