9月5日にJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝第2戦が行なわれ、準決勝に進出する4チームが決まった。ベスト4に駒を進めたのはFC東京、セレッソ大阪、名古屋グランパス、浦和レッズとなった。

上写真=アディショナルタイムでゴールを決め、浦和を4強進出に導いた槙野智章(写真◎J.LEAGUE)

逆転勝利で連覇へ前進したFC東京
最後に追いつき4強入りした浦和!

・FC東京 2-0 札幌
得点:(F)レアンドロ、東慶悟
※2試合合計3-2でFC東京が準決勝進出

FKで先制点を決めたレアンドロ。FC東京の攻撃をけん引した

 第1戦を敵地で1-2と落としたFC東京だが、アグレッシブなプレーで前半から敵ゴールに迫り、20分にレアンドロが直接FKを沈めて先制。後半にもキャプテン東がボックス内でディエゴ・オリヴェイラのパスを受けてコントロールショット。右足でカーブをかけつつゴール右を射抜き、追加点を挙げた。
 その後の札幌の攻勢をやり過ごしたFC東京は2試合合計3-2として、逆転突破が決定。試合後、追加点を挙げた東はシュート練習にいつも付き合ってくれるGK児玉剛に対する感謝を口にし、久々にサポーターと勝利を分かち合えたこと、連覇に向けて前進したことを喜んだ。

・G大阪 0-4 C大阪
得点:(C)山田寛人、加藤陸次樹、藤田直之、松田力
※2試合合計4-1でセレッソ大阪が準決勝に進出

C大阪の2点目を決めた加藤陸次樹

 前節、ホームで0-1と無得点で敗れたセレッソだったが、この日はゴールへの意欲を見せつけた。前半のうちに山田と加藤の得点でリードを奪うと、後半も藤田、松田が加点。キャプテン清武弘嗣が負傷による欠場中で攻撃力の低下も心配されたが、4得点で快勝した。さらに新加入の乾貴士が途中出場を果たすなど、今後への試運転も行ない、充実の内容でベスト4進出を決めた。
 一方でG大阪は第1戦に敵地で勝利を収めたことでやや構えてしまったか、前半はシュートゼロ本に終わるなど受け身の戦いに終始。15連戦の15試合目で疲労がピークに達していたこともあるが、大阪ダービーでショッキングな敗戦となった。

・鹿島 0-2 名古屋
得点:(名)稲垣祥、シュヴィルツォク
※2試合合計4-0で名古屋が準決勝に進出

勝利を決定づける2ゴール目をスコアした名古屋のFWシュヴィルツォク

 逆転突破を狙う鹿島に対し、名古屋が鮮やかに先制した。キム・ミンテのロングパスにマテウスが抜け出し、マイナスのクロスを送ると、走り込んだ稲垣がネットを揺らした。鹿島も逆転突破に向けて攻勢に出るが、名古屋は相手に攻め気を削ぐように、後半にシュヴィルツォクが追加点を挙げる。途中出場の森下龍矢のスルーパスに抜け出した前田直輝が右からボックスに入り込み、パスを供給。ポーランド代表FWが右足で蹴り込んだ。2試合合計4-0で名古屋が4強入りを果たした。

・川崎F 3-3 浦和
得点:(川)レアンドロ・ダミアン、山村和也、ジョアン・シミッチ
   (浦)江坂任、キャスパー・ユンカー、槙野智章
※2試合合計4-4ながらアウェーゴールの差で浦和が準決勝に進出

激しい攻防が繰り広げられた川崎F対浦和。2試合ともに引き分けながらアウェーゴールの差で浦和が勝ち抜けた

 先制したのはアウェーの浦和だった。8分に岩波拓也のロングパスを受けた江坂がそのままシュートに持ち込んで先制する。しかし川崎Fも宮城天、家長昭博、小林悠がボールをつなぎ、最後はレアンドロ・ダミアンが決めて前半のうちに追いついた(40分)。
 試合が激しく動いたのは後半だ。77分、左CKの場面で脇坂泰斗のキックに飛び込んだ山村がヘディングを決め、川崎Fが逆転に成功する。83分には再び左CKの場面を迎え、またも脇坂のキックから今度はシミッチが頭を合わせてリードを広げた。しかし、試合はこれで終わらなかった。87分に西大伍のクロスを川崎F守備陣がクリアし切れず、ユンカーの足に当たってゴールイン。浦和が1点差に詰め寄ると、アディショナルタイムには左CKの場面で江坂が蹴ったボールをショルツが折り返し、こぼれ球に槙野が詰めて土壇場で追いついた。2試合合計で4-4だが、初戦は1-1で2戦目は3-3。敵地で3点を挙げた浦和が激闘を制し、アウェーゴールの差で準決勝進出を決めた。