湘南ベルマーレは1日、8月31日をもって浮嶋敏監督が退任し、後任として9月1日付で山口智コーチが就任すると発表した。チームはJ1で27試合を終えて勝ち点26、15位に低迷。残り11節でシーズンの目標としていた勝ち点50到達が難しい状況となっていた。

上写真=監督に就任した山口智氏(写真◎湘南ベルマーレ)

降格圏までわずか3ポイント

 浮嶋監督の退任が発表された。現在J1で15位につけ、残留圏内の順位だったが、クラブがシーズンの目標としていた勝ち点50の到達は難しい状況となっていた。浮嶋監督は退任に際してクラブとファン・サポーターに対して次の通りのメッセージを残した。

「8月31日をもって、監督を退任することになりました。今シーズン、クラブの目標である勝ち点50を目指す中、勝ちきれない試合が続いたことは、すべて監督である私の責任であります。
 常にベストを尽くして共に戦ってくれた選手、日夜チームのために尽くしてくれたチームスタッフ、フロントスタッフ、アカデミースタッフ、そして、どんな時も熱く強く支えてくださったサポーター、スポンサーの皆様方、本当にありがとうございました。
 シーズンはまだ続きます。このクラブにふさわしいのはJ1の舞台です。そのためにチームは一丸となって残りの11試合を戦っていきます。皆様には、より一層の応援をいただきますよう、心よりお願い申し上げます」

 眞壁潔代表取締役会長と水谷尚人代表取締役社長社長は連名で次の通りのように今回の退任についてコメントした。

「いつも熱い温かいご支援、応援をいただき、ありがとうございます。この度、浮嶋敏氏が監督を退任することを発表いたします。
 浮嶋氏には、2019年秋の大変に厳しい状況の中、我々からの強い要請を受け入れてくれ、苦しみながらもJ1残留に導いてもらいました。そして、昨年から世界中でまん延しているコロナ禍での難しい環境下で、今日までチームを率いてもらいました。浮嶋氏のクラブ愛と指揮官としての日々に心から感謝をしています」

 浮嶋監督の退任にともない、後任には今季からチームに加わった山口智コーチが就任することになった。山口コーチは、今回が初めての監督就任になる。

「急なことではありますが、監督のオファーをいただき、いま自分にできることを考えた時にやるという決断に至りました。半年前に湘南に呼んでもらい、恩がありますし、今の選手・スタッフに対しても思い入れがある中でこの大役を引き受けることとなりました。
 チーム、クラブ全体が前向きにサッカーと向き合い、今以上に楽しめるようなチーム作りをしていきたいと思います。湘南というチームを今まで以上にカラーのある、魅力のあるチームにしていくことができるように、今いる選手・スタッフと共に前に進んでいきたいと思います」

 現役時代からリーダーシップを発揮し、コーチとなってからもガンバ大阪でも湘南でも監督と選手の間をつなぎ、チームのために力を注いできた。眞壁会長と水谷社長もチームの浮上に期待を寄せている。

「この度、監督に山口智が就任することを発表いたします。4チームが降格する今シーズンも残り11試合となり、一試合一試合、厳しさが増すことが想定される中、ギリギリの戦いを乗り越えるために、変化が必要と捉え、クラブとして大きな覚悟をもって、山口智に監督を委ねる決断をしました。
 あらためて“One Bellmare”で、11試合に挑んでまいります。
引き続きのご支援、応援をよろしくお願い申し上げます」

 降格圏の17位との勝ち点差はわずかに3ポイント。山口新監督に求められるのはまず、しっかりJ1残留を果たすことだろう。残り11試合、湘南は新監督のもとで、大きなチャレンジに臨む。

■山口 智(ヤマグチ・サトシ)
・生年月日:1978年4月17日(43歳)
・出身地:高知県
・選手歴:ジェフユナイテッド市原→ガンバ大阪→ジェフユナイテッド千葉→京都サンガF.C.
・指導歴:ガンバ大阪U-23ヘッドコーチ→ガンバ大阪トップチーム コーチ→ガンバ大阪トップチームヘッドコーチ→湘南ベルマーレトップチーム コーチ