2021年8月21日、明治安田生命J1リーグ第25節が開催された。エディオンスタジアム広島ではサンフレッチェ広島対川崎フロンターレの一戦が行なわれ、柏好文の得点で広島が先制に成功。70分過ぎまでリードを守ったが、レアンドロ・ダミアンがゴールで川崎Fが同点とし、1-1で決着。第10節に続き、今回もドローに終わった。

上写真=レアンドロ・ダミアンを青山敏弘と野上結貴が抑えにかかる(写真◎J.LEAGUE)

■2021年8月21日 明治安田生命J1リーグ第25節(@Eスタ/観衆4,885人)
広島 1-1 川崎F
得点:(広)柏好文
  (川)レアンドロ・ダミアン

・広島メンバー:GK大迫敬介、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MF藤井智也、青山敏弘、ハイネル(79分:松本泰志)、柏好文、柴﨑晃誠(79分:東俊希)、エゼキエウ(58分:浅野雄也)、FWジュニオール・サントス(83分:長沼洋一)

・川崎Fメンバー:GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ、車屋紳太郎、登里享平、MFジョアン・シミッチ(67分:橘田健人)、脇坂泰斗(67分:遠野大弥)、旗手怜央、FW家長昭博、レアンドロ・ダミアン(80分:小林悠)、長谷川竜也(46分:宮城天)

広島が鮮やかに先制も2点目は奪えず

 先制したのは、広島だった。敵陣右サイドのスローインから柴崎が深い位置からマイナスのクロスを送ると、ボックス中央で待っていた柏が右足で合わせてネットを揺らした。前半27分のこのゴール以降、広島は集中した守備で川崎Fの攻撃をかわしていった。

 川崎Fの鬼木達監督は「もったいない時間を過ごした」と振り返ったが、激しい雨と風の中でらしくないミスが頻発。失点場面は人はそろっていながらもスキを突かれた形で、広島の連動した攻めに上回られた形だった。

 広島リードのまま後半に折り返すと、ゴールを奪うしかない川崎Fは攻めのギアをあげていった。だがシュートはなかなか枠をとらえず、ネットを揺らすことができない時間が続く。スコアを動かすために脇坂に代えて遠野、シミッチに代えて橘田を投入し、活性化を図ると、交代から6分後の73分にようやくゴールを奪った。

 左サイド深い位置から遠野が右サイドに展開し、タイミングよく飛び出した旗手が収めて、落ち着いてゴール前のL・ダミアンに低く速いパスを供給。川崎Fが誇るゴールゲッターは左足トラップでボールの勢いを殺すと、素早く右足を振ってネットを揺らした。

 その後、川崎Fは同点の勢いを駆って攻めに出るが、決定機を創出できず。広島も3度の交代回数を使い切って足を負傷した青山が交代できないなど難しい状況の中、集中した守りを見せて猛攻をしのぐ。結局、試合は1-1で決着することになった。

「先行されて追い付いたという形ですけども勝ち点2を失ったと思います。(相手の)守備に苦しんだというか、自分たちの単純なミスをとか、やるべきことをやれなかった、そこだと思う。修正は自分たち次第だと思っています」

 川崎Fはこれで2戦続けてドロー。鬼木監督の言葉を借りれば、勝ち点2を失う試合が続いたことになる。再開後の3試合は1勝2分けと負けなしだが、試合後にシミッチも語っていたように「自分たちのサッカーができなかった」ことで、勝ち点を失う結果になったのかもしれない。

 一方、広島の城福浩監督も「自分たちの持てる力を攻守において出してくれたと思います。もちろん前半もう1点取れればとよかったですが、後半押し込まれた中で体も張りましたし、悔しい思いをさせているファミリーの方には気持ちの伝わる試合ができたと思います」と一定の評価をしながらも、「選手の頑張りを考えれば勝ち点3を取りたかった」と悔しさをにじませた。

 川崎Fのホームで対戦した第10節も1-1で終わり、順位に差はあれど、今回の一戦を決着戦と見る向きもあった。しかし今回も前回同様のスコアで終了。この結果、首位川崎Fは2位横浜FMとの差が4ポイントに詰まり、広島は1試合消化が少ないものの、11位に留まることになった。