名古屋グランパスは18日、第101回天皇杯のラウンド16でヴィッセル神戸と対戦し、1-0で勝利を飾った。試合終了間際に決勝ゴールを決めたのは、この夏に加入したFWシュヴィルツォク。ポーランド人ストライカーの加入後はゴールで名古屋は8強入りを決めた。

上写真=シュヴィルツォクが加入後初ゴールを挙げ、名古屋を準々決勝に導いた(写真◎Getty Images)

■2021年8月18日 第101回天皇杯ラウンド16(@豊田スタ/観衆3,453人)
名古屋 1-0 神戸
得点:(名)シュヴィルツォク

「自分の形を持っている」(前田)

 ゴールを決めたのは89分だった。スコアレスの状態で、延長戦も頭をよぎる時間帯。シュヴィルツォクのゴールは、チームをネクストラウンドに連れていく、値千金の決勝点となった。

「最初のゴールというのはすごく難しいゴールです。それを今日決めることができてとてもうれしいです。これによってまたいい感じで進めていけると思います」

 この試合は移籍加入後、3試合目。シュヴィルツォクにとって、加入後初ゴールでもあった。

 63分にピッチに登場すると、ネットを揺らすまでの26分間の間にも、ゴールのにおいを感じさせていた。65分に前田直輝からパスを受けてボックス右から逆サイドのネットを左足で狙う。惜しくもGKの正面を突いたが、足の振りの速いシュートだった。79分には前田からのライナー性のボールをボックス内で収め、相手CB菊池流帆を背負いながら素早く反転。左足で狙ったが、ボールはわずかに枠を逸れた。そして、89分に前田からのボールを、今度はきっちりゴールに蹴り込んだ。

 カウンターで柿谷曜一朗がピッチ中央を持ち上がり、左側を走る前田へパスを送る。前田は神戸のDF酒井高徳が寄せてきているのを感じつつ、スライディングが届くよりも一瞬早く、ゴール前へパスを送った。そこに詰めていたのが、シュヴィルツォクだ。前田からのパスを3度目の正直とばかりに、ゴールへ変えた。

「今日は勝てて良かったです。ただ明日からは次の試合に向けて努力していこうと思います。ゴールを取ろうと思うことは大切だと思います。もちろん勝利につながりますから。ただ、あまりにも考え過ぎるとそれに固執してしまって取れないこともあります。前の試合もチャンスはありましたが、ゴールできなかった。今日の試合は、自分のプレーをしっかりやるということに集中してやりました。なので、ゴールを何点取れるかではなく、自分のプレーをしっかりやる」

 アシストした前田はシュヴィルツォクについて「自分の形を持っている」と話し、ピッチのどこにいるかを意識しつつ、プレーしていたと振り返った。今後、周囲との連係がさらに深まれば、この新FWはますますゴールを生み出しそうな気配。この日のプレーを目撃した多くの人が、そう感じたはずだ。