セレッソ大阪のレヴィー・クルピ監督が、8月17日の練習後にオンラインで報道陣の質問に答えた。リーグ戦11試合未勝利という状況で臨む18日の天皇杯に向けて、メンバー選考の考え方などを語っている。

上写真=オンライン会見でチームの現状などについて語ったクルピ監督(写真◎スクリーンショット)

「一つの勝利で流れが変わる」

「連戦で厳しい戦いが続くので、メディカル、フィジカルの情報を総合的にまとめながら、試合のメンバーを決めていく。チームの総合力の高さ、選手一人ひとりの能力の高さを示す機会。最終的には練習の状況を見極めながら、メンバーを決めようと思っている」

 8月17日の練習を終えた後、クルピ監督はこのようにコメントした。18日の天皇杯ラウンド16では、サガン鳥栖と対戦する。7月24日の明治安田生命J1リーグ第22節で対戦したばかりで、そのときはアウェーで3-3の引き分け。「決着をつける試合でもある。違う大会ではあるが、お互いゴールを目指しながら攻撃的に戦うので、見応えがある試合になると思う」と展望を語った。

 チームの現状を見れば、リーグ戦で長らく勝利から遠ざかっている。8月15日の前節はアウェーでアビスパ福岡と対戦し、試合終了間際の失点で1-2の敗戦。4月の第10節・浦和レッズ戦で勝ってから11試合未勝利(7分け4敗)と、長いトンネルから抜け出せない。
 
 勝ち点27の13位、J2降格となる17位との勝ち点差は6で、このまま立て直せないと残留争いに巻き込まれる可能性もある。次節のリーグ戦は21日、最下位の横浜FCとのホームゲームで、是が非でも勝ちたい一戦であることを考えると、天皇杯はリーグ戦の主力抜きで臨むこともありそうだ。

 ただし、最初から2試合のメンバーを分けて臨むことはあるか、との問いに指揮官は「横浜FC戦のメンバーを考えて、明日のメンバーを決めることはない。1試合ずつ考えていく」と明かした。「サッカーは何が起こるか分からない。極端な話、明日の試合でケガ人が4人出ることもあり得る」とした上で、「先の試合を考えて決めるのではなく、総合的な情報を集めた上で、明日のベストメンバーを決めるという考え方で臨む」と語っている。

「私の長い経験でも、こういう(勝てない)状況を打破するための決定的な、特別なレシピがあるかと言うと、いまでも分からないというのが正直なところ」という。それでも「チームの現状を把握した上で、ベースは維持すること、選手とのコミュニケーション、対話で試合のイメージを統一していくことが大事」というマネジメントの考え方を披露した。

 鳥栖戦に向けて「一つの勝利で大きく流れが変わるのは、これまでに経験した、よくあること。明日の試合が、そのきっかけになればと思っている」と前向きにコメント。さらに「もう一つ大事なのは、選手たちがどれだけ意地を見せることができるか。負けず嫌いの選手が存在感を出して臨んでくれれば、それだけでチームにとっては大きなエネルギーになる」と奮起を促した。