サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、今シーズンもメディア横断企画「DAZN Jリーグ推進委員会 月間表彰」を実施している。当サイトでは、明治安田生命J1リーグにおいて、最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール」受賞者へのインタビューを掲載。7月の受賞者は、月間MVPとのダブル受賞となったサガン鳥栖MF酒井宣福だ。浮き球のパスを左足ボレーで決めた、名古屋グランパス戦(20節/7月17日)の鮮やかなゴール(51分)について語ってくれた。

ターゲットは2ケタ得点

ゴールを決めてガッツポーズを見せる酒井(写真◎J.LEAGUE)

――さらに次の試合、セレッソ大阪戦では開始直後に先制点。MF小屋松知哉選手のパスから右足で決めて、3試合連続ゴールを記録しました。

酒井 名古屋戦で、ゴールキーパーがまだ打たないと思っていると感じてシュートを打ちましたが、あのゴールも同じです。トラップしたタイミングで僕の体勢が良くなかったので、ゴールキーパーは、もう一つ運ぶと思ったかもしれません。そこで迷わず、いまシュートを打った方がいい、と思って打つことができたのは、名古屋戦の感覚があったからだと思います。

――7月の4試合で3ゴールを記録し、KONAMI月間MVPとのダブル受賞となりました。ゴール以外にも、前線で常に背後へ抜ける動きを繰り返し、中盤のスペースを広げることにも貢献しています。ただ、何度も繰り返すのはスタミナも、我慢も必要ですね。

酒井 前線の選手は常に背後を狙うように言われていて、スキがあれば一発でゴールを決められるように狙っています。何事もそうですが、1回ですべてを成し遂げることは難しい。100回走って1回出てくればいい、というくらいの感覚でやっています。自分が来たチャンスをしっかり仕留めればいいので、我慢というよりも、チャレンジし続けるイメージで動いています。

――近年はサイドバックや中盤に入ることが多く、FWでプレーするのは久しぶりとのことですが、動き方などは徐々に思い出してきたのですか?

酒井 ファジアーノ岡山時代(2016年)に少しやりましたが、長くフォワードでプレーするのは、アビスパ福岡での2年間(2014年と15年)以来です。動き方などは以前の感覚もありますし、鳥栖に来てつかんだものも、かなり多くあります。チームメイトの動きも参考にしていて、敬大(FW山下敬大)はゴール前の動きがうまい。いま8得点しているのはゴール前での動き方、動き直しが良いからで、勉強になります。

――東京五輪による中断明けの23節・FC東京戦は1-0で勝利。海外クラブに移籍する林大地選手の壮行セレモニーが行なわれる試合で、酒井選手は決勝点をアシストしました。

酒井 大地を気持ち良く送り出してあげたいという思いが強く、そのためには是が非でも勝利が必要だったので、アシストという結果を出し、勝利で送り出すことができてよかったです。良い形で再スタートを切り、さらに高みを目指していけると、チーム全体が確信することができました。

――結果を出すと周囲の期待も大きくなりますが、重圧を感じますか? 逆にエネルギーになるでしょうか。

酒井 エネルギーにしなければいけないですし、緊張感を保つための良い材料になっていると思います。責任感も出てきて、自分がやらなければ、という気持ちが強いです。

――これまで以上の結果を残すために、どんなことが必要になると思いますか?

酒井 最優先でやるべきなのは、チームのために動き続けること。その上で、まだ複数得点ができていないので、決められるようにしていきたいです。

――現在6得点で、すでにJ1では自身最多。福岡時代の2014年と15年にJ2で決めた、キャリア最多の7得点に迫っています。当面の目標は2ケタ得点ですか?

酒井 そうですね。2ケタ得点は今季初めから、ずっと目標にしている数字なので、まずはそこがターゲットです。

――人数制限がある状況でも、多くのファン・サポーターの皆さんがスタンドで応援してくれています。

酒井 今回選出された名古屋戦のゴールも、先ほど言ったように選手だけの力ではなく、ファン・サポーターの皆さんが作り上げてくれた雰囲気のおかげもあって生まれたと思うので、本当に感謝しています。これからも可能な限りスタジアムに足を運んでいただき、DAZNを通じても応援していただいて、僕たちを後押ししてほしいです。

――最後に、ファン・サポーターの皆さんのメッセージをお願いします。

酒井 スタジアムに足を運んでくださる皆さんの応援だけでなく、DAZNを通じての応援も、僕たちには届いています。その声が僕たちのパワーに変わっていくので、これからも応援よろしくお願いします!

取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE

※本文中の数字などはすべて8月11日時点