徳島ヴォルティスは11日、ガンバ大阪からFWの一美和成が完全移籍で加入すると発表した。一美は今季、横浜FCからG大阪に復帰し、J1リーグで18試合に出場、1ゴールの成績を残している。後半戦の浮上を目指すチームで得点源として期待される。

上写真=徳島加入が決まった一美和成(写真◎J.LEAGUE)

選手として人間として成長できるように

「このたび、ガンバ大阪から徳島ヴォルティスに完全移籍することになりました。一美和成です。チームのために全力でプレーしたいと思います。早くチームに貢献できるように頑張ります。よろしくお願いします」

 G大阪から徳島に完全移籍で加入することになった一美和成は、クラブのHPに決意を寄せた。大津高校からG大阪に加入し、U-23チームで活躍していたが、2019年に京都に期限付き移籍してブレイク。翌20年は横浜FCに期限付きで移籍し、今季はG大阪に復帰していた。J1では18試合(先発6試合)に出場して1ゴール。そのポテンシャルからすれば、満足できる数字ではなかった。

 心機一転、一美は完全移籍で徳島でプレーすることに決めた。その決意の大きさは、古巣・G大阪のファン・サポーターへ向けたメッセージからうかがい知れる。

「この度、徳島ヴォルティスに完全移籍することになりました。突然の報告で驚かせてすみません。皆さんの前で直接報告できず申し訳ありません。ガンバ大阪という日本を代表するクラブでプロとしてのキャリアをスタートさせていただき、はじめは右も左も分からず戸惑う毎日でしたが、U-23の監督でいらっしゃった實好礼忠さんや宮本恒靖さんを始めとするコーチングスタッフの皆さん、フロントスタッフの方々、チームメイトそしてファン・サポーターの皆様のおかげで少しずつ成長しプロサッカー選手としてここまでやってくることができました。心から感謝しています。
 自分の目標はガンバのリーグ優勝に貢献すること、そして東京五輪に出場して活躍することでした。そのために2年間の期限付き移籍を経験させていただき、今シーズンは成長した姿を見せチームに貢献したいと考え復帰を決断したのですが、現実は厳しく、思うようにチームの力になれないとても苦しい半年間を過ごすことになってしまいました。そんな時に徳島ヴォルティスさんからお話をいただき、ガンバがこの厳しい状況を抜け出すために一致団結して戦っている中で、対戦したばかりで順位の近いチームに移籍してしまって良いのか、本当に悩みました。しかし、ガンバに入団した時に描いた夢を実現できなかったいま、自分の立ち位置をもう一度見つめ直し、プロ選手として新しい環境に身を置いてチャレンジしたいという気持ちを抑えることができず、今回の決断をすることになりました。全ては自分の力不足が招いたことではありますが、この悔しさを忘れず、自分自身の決断に責任と覚悟を持って、サッカー選手としても一人の人間としても成長していくことができるように頑張っていきたいと思います。
 このような厳しい状況で自分を送り出してくださったクラブ関係者の皆様、いつも支えてくれたチームメイト、そしてこんな自分を応援してくださっていた青黒のファン・サポーターの皆様、これまで本当にありがとうございました。ガンバ大阪の残りシーズンの成功を心から願っています」

 新たなチャレンジに踏み出した。徳島の地で新しい一美和成を見せる。

■一美和成(いちみ・かずなり)
・生年月日:1997年11月10日
・出身地:熊本県
・身長/体重:181cm/77㎏
・ポジション:FW
・背番号:17
・経歴:エスペランサ熊本ジュニア→エスペランサ熊本Jrユース→大津高校→ガンバ大阪→京都サンガF.C.→横浜FC→ガンバ大阪