横浜FCのGK六反勇治が、自身今季初完封で勝利に貢献した。7月11日の明治安田生命J1リーグ第22節で、サンフレッチェ広島に1-0で勝利。チーム全体のメンタル面の充実が勝ち点3につながったと振り返っている。

上写真=試合終了の瞬間、六反は両手を広げて勝利を喜んだ(写真◎J.LEAGUE)

■2021年7月11日 J1リーグ第22節(@Eスタ:観衆4,435人)
広島 0-1 横浜FC
得点:(広)なし
   (横)小川慶治朗

「本当に大きな一歩」

 横浜FCは11分にMF小川慶治朗が先制点を挙げたものの、時間が進むにつれて広島の猛攻にさらされた。六反は「今年のシーズンを象徴しているかのように厳しい試合になった」と振り返ったが、最後まで守り抜いて1-0で勝利。「今日はサッカーというより、自分たちがどれだけハートを動かし続けるのか、みんなで話し合って試合に臨んでいた。たかが勝ち点3を取っただけかもしれませんが、僕たちにとっては本当に大きな一歩になるんじゃないかと思う」と喜びを表現した。

 今季は前節まで9試合にフル出場していたが、今季唯一の無失点で、2-0で唯一の勝利を挙げた5月15日の第14節・湘南ベルマーレ戦は出場していなかった。自身今季初の完封を「チームに迷惑をかけ続けたシーズン。やっと一つ返すことができたけど、これだけでは僕自身も満足いかないし、チームのみんなも同じだと思う」としつつ、「今日は気持ちだけが広島に勝てた要因なんじゃないか」とメンタル面の充実ぶりを強調している。

 62分には広島FW鮎川峻にゴール前の密集を破られ、エリア内でシュートを打たれる大きなピンチがあったが、素早く間合いを詰めてブロック。それでも「今日のパフォーマンスは満足しているかと言われると、もう少しできた部分(があり)、チームで言えば、ギリギリで守っているような時間帯も多かった」とコメントしている。

 とはいえ、中断前最後の一戦を勝利で締めくくり、残留争いを勝ち抜くための貴重な勝ち点3となったことは間違いない。「自分たちでボールを持ったり、相手が嫌がることができれば、もっと良くなれる」と課題を挙げた守護神は、「中断期間中も切磋琢磨しながら、もっと自分たちが上に行ける、やれるというようにやっていきたい」と今後を見据えていた。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE