上写真=前寛之は中盤で横浜FMのパスワークを食い止めるのに必死になった(写真◎J.LEAGUE)
「決まる場面と決まらない場面があって」
「自分たちの良さを出すために何をしなければいけないのか、もう一度考えて向きあいたい」
絞り出す言葉にも力が入らない。4連敗の責任がキャプテンの前寛之からにじみ出る。
連敗ストップをかけて挑んだJ1第22節、アウェーの横浜F・マリノス戦。0-2で敗れる結果に、長谷部茂利監督も「相手が1枚も2枚も上でした」と総合力での完敗であるという認識を口にした。
勝負のあやを探せばやはり、前半の2つの失点になるだろう。22分に左からのクロスにGK村上昌謙が反応してはじくが、カバーに戻ったDF奈良竜樹にそのまま当たってゴールに転がり込むアンラッキーな失点。直後の飲水タイムを経て、28分にはまたしても左からのクロスに対してフリーでファーに待ち構えていたオナイウ阿道にヘッドで軽々と押し込まれた。
この失点の後も最後までチャンスをつくられながら、村上のビッグセーブの連続でかきだしたから、なおさらこの2つのシーンの一瞬の間が悔やまれる。
「2失点する前の強度やインテンシティ、ボールを扱う質、取られたあとのトランジションが足りなかった」
4連敗のすべてで前半に失点していて、やはりこの我慢の度合いに物足りなさを残してしまう。
「今日の守備では、どこからプレスを掛けにいくのか、どういう強度でいくのか、どこを落としどころにして狙って奪いたいのか、それが決まる場面と決まらない場面があって、宙ぶらりんになったところが失点につながった2つだった印象があります」
もちろん、改善策として見えているものもある。
「うまくいかないときに、ピッチの中でどういう話し合いをしながら自分たちの時間を相手の嫌な時間につなげるかは、もう少しロングボールを多用して裏返してから、前から奪いにいくこともあってもよかったかもしれません。改善策はあったと思います」
ここからはホーム3連戦。まずは7月17日にAFCチャンピオンズリーグ帰りのガンバ大阪を迎える。福岡のサポーターに勝利を届けるために、キャプテンがもう一度チームを引き締め直す。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE