FC東京の長谷川健太監督が6月のJ1月間最優秀監督に選出された。3連勝がその大きな要因となったが、この勢いを7月からのアウェー7連戦にしっかりとつなげていきたいところ。負傷者も続々と戻ってきて、上位進出へ結果とチーム力アップを求める夏になりそうだ。

上写真=長谷川健太監督がJ1の6月月間優秀監督賞を受賞。「まずは選手、スタッフに感謝をしたい」(写真提供◎FC東京)

「誰を使うか頭を悩ませるのはポジティブ」

 Jリーグは7月9日、6月のJ1月間優秀監督賞にFC東京の長谷川健太監督を選出したことを発表した。

「5連敗してそこでもがき苦しんで、という中で、今シーズンに目指すサッカーをしようと(5月15日の)レイソル戦から改めてスタートを切って、その後、勝ったり負けたりはありますけれど、やっと形になってきたということだと思っています」

 第18節の横浜FC戦、第19節の徳島ヴォルティス戦、第20節の大分トリニータ戦と6月に行われた3試合ですべてに完封勝利を収めて、上昇気流をつかんでいる。

 最高の6月を終えて、7月に2試合、8月に5試合と、猛暑の時期にアウェー7連戦が待っている。長谷川監督は「計算してもしょうがないので、一戦一戦、目の前の試合に集中していきたい」という意識を改めて強調している。

「中でも8月の連戦は夏の時期で、中2日での移動もあって非常にタフな試合が続くと思います。いま出ている選手だけではなくて、総力戦になってくると思いますので、まずはこの湘南とセレッソとの7月の戦いでしっかり勝ち点を上積みできるか、それがそのあとの8月の連戦でチームとしての総合力、厚みという部分を増すことにつながってきます」

 総合力という点では、鈴木準弥がブラウブリッツ秋田から加わるほか、負傷者の復帰も増えてきている。

「渡邊凌磨はすでに練習に復帰していて、練習試合でもプレーできそうな感じできています。8月の戦いには計算できる状態になっていくのではないかと思っています。鈴木はセレッソ戦から出場可能になるということで、すでにトレーニングに入っているので、十分にチームの雰囲気に慣れてくれば、同じく8月の戦いにおいては計算に入ってくると思っています。林(彰洋)もぼちぼち参加してきていて、少しずつケガ人が戻ってきているので、いま試合に出ている選手といい意味で競争してチーム力を上げてほしいと思っています」

 今季は中村帆高の負傷に続き、コンバートした内田宅哉もケガで離脱と右サイドバックの人選には泣かされてきた。それがいま、中村拓海のほか獲得したばかりの鈴木がいて、左利きの小川諒也も本来の左から右に回って効果的なプレーを見せている。左サイドではバングーナガンデ佳史扶が急成長中だ。一時は長谷川監督も「人がいません!」と苦笑いだったが、一転して豊富な人材が揃うことになった。

「いままではいなくて困っていましたけれど、逆に誰を使うか頭を悩ませるのはポジティブなことで、うれしい悩みだと思っています。大いに悩めるぐらいに、サイドをやる選手は好調を維持してくれればと思っています」

 もちろんそれは、サイドバックだけではない。前線のブラジルトリオが好調で、そこに絡む選手たちもコンディションを上げてきた。FC東京が7つのアウェーゲームで逆襲の進撃を始める。