FC東京が7月11日の明治安田生命J1リーグ第22節から、夏のアウェー7連戦に臨む。チームは3連勝と調子を上げてきたが、その中心にいるのが東慶悟だ。ブラジルトリオに加わる「プラスワン」として、7月20日に31歳となるキャプテンが攻守でサッカーの楽しさを改めてかみ締めている。

サイドハーフとインサイドハーフ

キャプテンとしてはプレーで背中を見せることの重要性を、屈辱の5連敗の期間に悟ったという(写真提供◎FC東京)

――3連勝と復調してきたのは、ブラジルの選手3人が気持ちよくプレーすることだけではなくて、プラスワンとしての東選手の関わりも理由の一つではないでしょうか。

 まず、ブラジル籍の選手とともに自分がどう活きるのかを考えるのがいま、非常に楽しいです。クロスが入ってくるのもその一つですし、それ以外にも関わり方はいっぱいあります。ブラジルトリオという強みに、僕だけではなくて他の選手も絡んでくればすごく脅威だと思うんです。ブラジルの選手のほうが僕に合わせてくれるようになれば、もっともっと良くなってくる。それぐらいの気持ちでやっていきたいですね。

――守備でもポイントになるシーンがありました。東選手との接触プレーで足を高く上げた大分の三竿雄斗選手が退場となった場面、危険なプレーではあったものの、それは東選手が適切な場所に立っていて、つまりボールにアタックすることもできるしパスコースも消している状態にあったから相手の焦りを誘った、という見方もできます。

 そこのバランスというか、下がりすぎるとボールホルダーにプレスをかけられないですからね。東京のいいときは引いた状態でもボールにプレスして出ていけますけど、前半戦はなかなかできなくて。フォーメーションや立ち位置の関係で難しいこともありますが、4-2-3-1という形になって自分はサイドに入って、守備のところも楽しんでいます。相手との駆け引きというか、エサまいてるよ、という立ち位置を取ったり、あまり下がりすぎないようにしたり、人につきすぎて間を通されたりしないように、と。まだまだ足りないけれど、守る楽しさという部分も出たシーンだったのかなと思います。

――立ち位置という点では、今季は右サイドハーフではなくボランチでも、さらに4-3-3システムではインサイドハーフも経験しています。

 ボランチもインサイドハーフも、それぞれに楽しさがあります。その中で自分の良さを引き出せるようになれば選手としての幅も広がると思います。サイドハーフは長谷川監督にずっとやらせてもらっていて慣れもありますし、昨年から4-3-3にもチャレンジして新鮮で楽しいし、サイドハーフとは違う動きになるので、またやっていきたいと思います。

――サイドハーフとインサイドハーフ、選手としてはどんな違いを感じていますか。

 もちろんインサイドハーフだけではなくてすべてのポジションで立ち位置が変わるので、それによって動きは変わってきます。守備だと、4-3-3の方がより敵も味方も見ることができないと臨機応変にできなくて、そこに難しさは感じます。4-2-3-1だと守備ではそれぞれの担当の場所がはっきりしていますが、4-3-3だとアンカーがどこまで出ていくのか、とか、その関係性は難しくて、逆に言えば選手の考えでいろいろできるところは面白さがありました。そこにチャレンジしたからこそ、いまの4-2-3-1が活きているということにもなります。