FC東京が7月11日の明治安田生命J1リーグ第22節から、夏のアウェー7連戦に臨む。チームは3連勝と調子を上げてきたが、その中心にいるのが東慶悟だ。ブラジルトリオに加わる「プラスワン」として、7月20日に31歳となるキャプテンが攻守でサッカーの楽しさを改めてかみ締めている。

上写真=東慶悟は7月20日に31歳になる。いまだからこそ、わがままにその力を解放する(写真提供◎FC東京)

点の取れるスポットにスプリントをかけて

――J1第20節の大分トリニータ戦は前半のうちに3点を奪いきって勝利、3連勝としました。45分の2点目は、東選手が右からのストレート系のクロスを、ディエゴ・オリヴェイラ選手のヘッドにどんぴしゃりで合わせて、アシストを記録しました。

東慶悟 相手がゴール方向からブロックに来たので、瞬間的にコースがあそこしかありませんでした。空間に落とすような感じで、あとは距離感をうまく合わせて。ディエゴがいいタイミングで入ってきてくれたので、うまく合ったなという感じですね。

――ゴール前に相手選手がずらりと並んでいる状態で、一瞬で空間を見つけたというイメージですか。

 クロスはいつも、相手が嫌がるところに蹴りたいと意識しています。ここに来てくれ、という狙いを持って上げることができました。ゴールが生まれるときはそういうことがよくあるので、感覚的なところを研ぎ澄ませることも重要です。ディエゴとはもう長年やっているので、お互いわかっています。

――インフロントに引っかけて「蹴る」というよりは、インサイドに「当てる」チョイスが功を奏しましたね。

 とっさの判断ですが、ロブというかチップ気味にふわっと上げるイメージで蹴ったほうがいいかな、と。あまり速すぎるボールではなくて。インフロントよりはインサイド気味というか、そこでふわっと上げた感じですね。

――47分の3点目は小川諒也選手が決めたものですが、左サイドを崩すときの右サイドの関わりが興味深いものでした。最初はサイドバックの小川選手が東選手を追い越して前に出ていって、しかし左でディエゴ選手がバングーナガンデ佳史扶(以下、カシーフ)選手に出して走らせたところで、今度は東選手が迷いなく長い距離を一気にまっすぐゴールに走っていきました。

 左にアダ(アダイウトン)、トップ下にレア(レアンドロ)でフォワードにディエゴ、そして僕が右に入ることが多くなりました。その3人とどう関わって、自分がどう活きるかを考えています。個人の能力も高くて左から突破する形がたくさんあって、カシーフも高い位置で関わるので、左からクロスが上がってくることが増えてきました。それに入っていくことを意識していて、この得点シーンもカシーフのクロスをキーパーが触らなければ僕のところに来ていたし、そういう意識の中のワンシーンだったと思います。

――小川選手、東選手、さらにニアには安部柊斗選手も飛び込んで、真ん中にはアダイウトン選手も待ち構えていました。チャンスの瞬間に一気にゴールを奪いに出ていく、FC東京らしさを象徴するシーンだと感じました。

 後ろを気にするよりも僕が点を取りたかったので、ゴールの奪えるスポットにスプリントをかけて入っていったという感じですね。そこは長谷川(健太)監督から求められていることですし、クロスのときにゴール前に枚数をかけるのは得点になりやすくて、そこに行くまでのスプリントのようなフィジカル的なところは大事です。コンディションが上がってきて、入っていける数も増えてきて、次は自分で取れるようにしたいと思います。