2021年7月8日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループIのグループステージ第5節が行なわれ、川崎フロンターレは大邱FCと対戦した。鬼木達監督は「決勝戦だと思って戦う」と戦前に話していたが、その強い思いを選手たちがピッチで見事に表現してみせる。攻守両面でアグレッシブに戦い、レアンドロ・ダミアンがハットトリックを達成。3-1で勝利し、川崎Fが5連勝で決勝トーナメント進出を決めた。

上写真=大邱戦でハットトリックを達成したレアンドロ・ダミアン(写真◎2021 Asian Football Confederation)

■2021年7月8日 ACL・I組GS第5節(@ブニョドコル・スタジアム/無観客)
大邱 1-3 川崎F
得点:(大)エジガル
   (川)レアンドロ・ダミアン3

・大邱メンバー:GKチェ・ヨンウン、DFキム・ジンヒョク、ジョ・ジヌ、パク・ビョンヒョン(61分:ホン・チョンウン)、MFチャン・ソンウォン(77分:チョン・チイン)、西翼、イ・ヨンレ(77分:イ・ジンヨン)、ファン・スンミン(57分:イ・グノ)、アン・ヨンウ、FWセシーニャ、エジガル

・川崎Fメンバー:GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟、車屋紳太郎、MF脇坂泰斗(70分:大島僚太)、ジョアン・シミッチ(70分:山村和也)、旗手怜央(86分:橘田健人)、FW家長昭博、レアンドロ・ダミアン、三笘薫(90+3分:知念慶)

素晴らしい勝利だったと思います(谷口)

 再び、L・ダミアンが主役になった。第1節で大邱と対戦した際には、リードを許す苦しい展開の中、オーバーヘッドを含む2ゴールを挙げ、逆転勝利に貢献した。そしてこの日の大邱との再戦では、前半に1ゴール、後半に2ゴールを集めてハットトリックを達成。圧巻のプレーでグループステージの首位通過を導いた。

「本当に自分のゴールだけではなくて、チーム全員が最後の最後までしっかり戦った結果、今日の勝利につながったと思っています。相手はこのACLに入る前に韓国のリーグで10戦負けなしを成し遂げていたので、本当に強いチームという印象がありました。実際に戦うと手ごわいチームで危険なシーンもありましたが、チーム全員が一致団結して戦うことができました」

 試合後のコメントは謙虚だが、L・ダミアンはピッチでは誰よりも雄弁だった。1点目は35分。三笘のシュートがポストに当たって跳ね返ったところに素早く反応。頭で押し込み、ネットを揺らした。2点目は64分。前半終了間際に相手に追い付かれ、嫌な流れの中で後半を迎えたが、再び相手を突き放すゴールをスコアした。バイタルエリアで相手ボールになりかけたところを脇坂が諦めずに足を出してクリアを防ぎ、そのこぼれ球をボックス内で収めるや間髪入れずに右足を振り抜いてGKの左を破った。

 3点目は試合終了間際だ。87分、三笘が左サイドを突破し、ライン際から得意の右足アウトサイドでマイナスクロスを入れると、L・ダミアンが待ってましたとばかりに走り込み、しっかり歩幅を合わせて右足を一閃。勢いよくゴールを射抜いた。

 驚異の決定力には、大邱の守備陣も閉口するよりほかなかった。どんなに警戒していても、抑えることができないーー。そんな凄みが今大会のL・ダミアンにはある。DFの監視から逃れる動き。ここぞというタイミングを逃さない集中力。圧倒的なシュートスキル。フロンターレが誇る大砲は、ACLでもその力を存分に発揮した。

 言うまでもなく、周囲の選手たちもL・ダミアンを生かす術を心得ている。チームとしての完成度の高さは、グループの中でも群を抜く。この勝利により、川崎Fは5連勝を達成。グループIの首位が確定し、見事決勝トーナメント進出を決めた。

「このゲームで勝ってグループステージを突破しようと強い気持ちを持って試合に入りました。先制点を取ったのはよかったですけど、相手も強かったしパワーもあったので、同点になってから難しい時間がありました。でも我慢して焦れずに戦って、その結果、こうやって勝つことができた。素晴らしい勝利だったと思います。(5連勝だが)簡単な試合は一つもなかった。中2日での5連戦は、総力戦で全員の力で戦い抜いてきました。今日も勝つことができて、まずはグループステージを突破することができ、ホッとしています」

 試合後、谷口キャプテンはチームの総合力を実感できたと語り、首位通過を決めたことに安堵の表情を見せた。ここまでのところ、ボールを積極的に動かし、テンポを操り、ゴールを重ねていく川崎Fらしさをアジアの舞台でもしっかり発揮できている。5連勝はその証左だろう。最強J王者は次なる目標、すなわちアジアの頂点へ着実に歩を進めている。