上写真＝強い決意で試合に臨んだものの、宇佐美貴史はゴールを決められなかった（写真◎ 2021 Asian Football Confederation）
■2021年7月4日 ACL・H組GS第4節（@ロコモティフ・スタジアム/無観客）
G大阪 1-1 チェンライ・U
得点:（Ｇ）OG
（チ）フェリペ・アモリム
・G大阪メンバー:GK東口順昭、DF三浦弦太、昌子源、菅沼駿哉（83分:一美和成）、MF小野瀬康介、奥野耕平（72分:山本悠樹）、井手口陽介、川崎修平（46分:黒川圭介）、矢島慎也（63分:倉田秋）、宇佐美貴史、FWレアンドロ・ペレイラ（46分:パトリック）
・チェンライ･Uメンバー:GKアピラック・ウォラウォン、DFサラウット・インペーン、ブリンネル、シンナパット・リーオ（90分:タナサック・スリサイ）、MFワサン・ホムサン’78分:ソムキッド・チャムナーンシルプ）、チョ・ジフン（78分:ジョナタ・ヴェルズーラ）、ピティワット・スクジッタムマクル、サヌクラン・ティンジョム、シワコーン・ティアトラクル（90分:アカラウィン・サワディ）、フェリペ・アモリム（68分:エカニト・パンヤ）、FWビル
チャンスがなかったわけではないが…
前節、アディショナルタイムに追いつかれた相手に今節は先制を許した。6分、チェンライのゴールキックからだった。川崎がクリアしたボールを中盤で相手にピティワに拾われると、ビルとのワンツーから右サイドの裏に浮き球を出された。小野瀬が処理に走るが間に合わず、フェリペに先制ゴールを決められた。
まだ焦る時間ではなかったが、先制してよりアグレッシブになった相手の動きに以降も苦しめられた。攻め手がないわけではないものの、矢島のシュートも宇佐美のヘッドも井手口のミドルでもネットを揺らせない。L・ペレイラのゴールもオフサイドで取り消された。チェンライの帰陣が早く、ボールロストすれば、鋭いカウンターと細かいパスワークで攻め込まれた。前半はテンポが上がらず、G大阪にとっては苦しい時間になった。
後半、動きの重かったL・ペレイラをパトリックに、川崎を黒川に代えて、スタートから仕切り直しとばかりにアグレッシブに前に出た。そして54分、ようやく同点に追いつく。右サイドでボールを奪った矢島がそのままボックス内へ進入。左足でゴール前に送ったボールが相手DFに当たり、GKの頭上を越えてゴールイン。ゲームを振り出しに戻した（記録はオウンゴール）。
しかし、である。ここから一気に逆転というシナリオを演じることはできなかった。相手の集中力は途切れることはなく、G大阪も攻め切るこができない状態が続いた。戦前、グループステージ突破に向けて「出し切るつもりで戦う」と松波正信監督は語り、宇佐美も「何が何でも勝てるようにしたい」と話していたが、フィニッシュゾーンに入ってからのプレーに精度を欠き、次の一手が出なかった。
試合終了間際の89分に訪れた直接FKのチャンスに宇佐美が狙うもボールはクロスバーを越え、90＋1分に複数人が絡んだパスワークから井手口がボックス手前から右足で狙ったシュートは、相手GKの好守に阻まれた。さらに90＋3分にも右サイドに流れた宇佐美からのクロスをゴール前に上がっていた三浦が頭で狙ったが、これまた相手GKの好セーブに遭ってゴールはならず。
攻められなかったわけではない。ボールポゼッションでも57％対43％で上回った。だが、シュート数は10対9で、枠内シュートは2対2。そしてスコアは1対1。スタッツから見ても引き分けは妥当な結果だったのかもしれない。
「（ゴールは）相手のミスからだったんですけど、それ以外にもチャンスがあったので、とくに引き分けだったのでまり意味がなかったのかなと。勝たないと始まらないので、勝つしかないと思います」
同点ゴールを導きながらも「意味がなかった」と矢島は悔しさを露わにした。自身は60分過ぎに足がつり、倉田との交代を余儀なくされた。その点でも悔しい思いがあったのかもしれない。
この試合の結果、G大阪はグループHの2位のままだが、首位の全北現代と勝ち点4差に開いてしまった。残り2試合に勝ったとしても、次戦の第5節で全北現代がチェンライに勝利を収めると、G大阪の首位突破の芽は潰える。2位で通過できるのは全グループの2位のうち成績の良い3チームのみ。G大阪は4戦終えて引き分けが3試合あり、勝ち点6に留まる。つまりは突破に向けて厳しい状況を迎えているが、矢島が言う通り、残り2戦、「勝たないと始まらない」ーー。