2021年6月28日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループHのグループステージ第2節が行なわれ、ガンバ大阪が韓国の全北現代と、ロコモティフ・スタジアムで対戦した。開始早々に2失点する苦しい展開も、前節に続き、パトリックが決定力を発揮。2ゴールを決めて追いつき、G大阪がドローに持ち込んだ。

上写真=2ゴールを挙げたG大阪のパトリック(写真◎ 2021 Asian Football Confederation)

■2021年6月28日 ACL・H組GS第2節(@ロコモティフ・スタジアム/無観客)
G大阪 2-2 全北現代
得点:(G)パトリック2
   (全)スタニスラフ・イルチェンコ、邦本宜裕

・G大阪メンバー:GK東口順昭、DF三浦弦太、昌子源、キム・ヨングォン、MF小野瀬康介、奥野耕平、井手口陽介(90+2分:ウェリントン・シウバ)、藤春廣輝(52分:黒川圭介)、矢島慎也(67分:倉田秋)、宇佐美貴史(90+2分:小野裕二)、FWパトリック(67分:レアンドロ・ペレイラ)

・全北現代メンバー:GKイ・ボムヨン、DFイ・ヨン、ク・ジャリョン、ホン・ジョンホ(46分:パク・ジンソン)、キム・ミンヒョク、MFハン・ギョウォン(62分:マドウ・バロウ)、ペク・スンホ(76分:リュ・ジェムン)、チェ・ヨンジュン(46分:グスタボ)、邦本宜裕(61分:キム・スンデ)、FWスタニスラフ・イルチェンコ、イ・スンギ

立ち上がりの2失点はもったいなかった(三浦)

 まだ、G大阪が相手の出方をうかがっている時間帯だった。開始2分、相手GKのゴールキックを昌子がヘッドでクリアしたが、飛距離が短くなったところを簡単に拾われてしまう。そこからダイレクトでパスをつながれて、最後はイルチェンコに決められた。

 早々の失点のあとも、G大阪は寄せの速さで相手に上回られ、セカンドボールの回収でも後手を踏んだ。17分にはセカンドボールに走り込んだ邦本にミドルシュートを打たれ、失点。シュートは井手口に当たる不運もあったが、2点のリードを許すことになった。

 完全にゲームの入り方に失敗したG大阪はしかし、ここから反撃を開始する。主役を演じたのは、パトリックだ。27分に中盤で右から左に細かくつないでボールを動かすと、藤春がゴール前にクロスを上げ、パトリックがドンピシャのタイミングでヘッドで叩きつけて、1点を返す。さらにである。その4分後に、またも左から崩してゴールを生む。宇佐美が左に開いてボールを受けると、ボックス右に進入した矢島にクロスを送る。矢島がダイレクトで折り返し、中央で待っていたパトリックが右足ボレーでネットを揺らした。

 相手の守備はスライドが早く、集中もしていたが、G大阪はブロックの外側に素早くボールを展開し、クロスを交えて相手守備陣を揺さぶり見事にゴールをスコアした。前半のうちに追いつき、良い流れを作って迎えた後半、さらにG大阪は次の1点を目指して攻撃に力を注いだ。ところが、中2日の試合ということもあり、次第に疲れが見え始め、推進力が失われていく。選手交代によって組み合わせが変わったことも影響したかもしれない。前半のようなコンビネーションも見られず、クロスが合わないシーンも散見。結局、ボールは握ったものの、最後まで勝負を決するゴールを生めず、相手と勝ち点1を分け合うことになった。

「立ち上がりの2失点がもったいなかったなと。そこから自分たちで取り返すパワーを出せたことは収穫だとは思います。ただ立ち上がりの失点の部分は改善しないといけないし、無失点でいけば非常に有利に進めれる。あとは前節と今回と複数取れているので、ゴールの部分を、いっそう求めていきたいと思います」

 試合後にフラッシュインタビューに応じた三浦キャプテンは、前半立ち上がりの2失点を悔やんだ。集中力を欠いたわけではなかっただろうが、寄せが遅れたのは事実だった。とくにゲームの入り方については改善が必要だろう。

 ただその一方で、三浦が指摘したように収穫も見られた。同点に至った意図を持ったパス回しや揺さぶりは、今季のJ1ではなかなか形にならなかったプレーだ。攻撃の局面で選手が同じ絵を描いてプレーするケースは着実に増えている。

 ACLだからと言って余所行きの戦いは必要ない。試合の入り方に注意し、しっかり地力を示せば、決勝トーナメント進出は十分に可能だろう。2戦を終えてG大阪は、グループHの首位に立っている。