上写真＝瀬川祐輔は急きょ先発して今季初のフル出場。最後まで戦い続ける姿勢を見せた（写真◎J.LEAGUE）
■2021年6月23日 明治安田生命J1リーグ第19節（＠三協F柏/観衆3,263人）
柏 0-2 浦和
得点：（浦）宇賀神友弥、柴戸海
バラバラで人任せ
迷いながらサッカーをしている……。
瀬川祐輔はピッチを離れている間、仲間たちの奮闘をそう見ていたという。
「3カ月ぐらい外から見ていて、みんなが気持ちよくサッカーしていない、迷いながらサッカーしているなと感じていました」
一つ、例に挙げたのが、6月19日のサンフレッチェ広島戦。瀬川自身も79分から登場して久々にピッチの感触を味わっていた。
「広島戦は前の選手はやっぱり歩いていることが多くて、あんなに押し込まれたけど70分過ぎまでゼロで抑えてくれた後ろの選手のセカンドボールが拾えていなくて、バラバラで人任せだなと感じていました」
誰かが苦言を言わなければならない。瀬川はその役を買って出た。続く23日の浦和レッズ戦では試合前のアップで仲間隼斗が負傷、代わって急きょ先発出場を果たした。
「僕が入ったらとにかく人よりも走ってセカンドボールを拾って、当たり前のことを当たり前にやるというか、戦術云々の前にサッカー選手として大事な部分を90分間出せればいいと思って入りました」
試合は結局0-2で敗れることになるのだが、「戦術よりも目の前の相手に戦うこと、負けないことと監督も言っていたし、個人の意識の部分でいつもよりは見せられたと思います」とポジティブな場所に目を向けた。
8戦勝ち星なし、4連敗中といういま、瀬川が求めているのはとにかく結果だ。
「2018年のレイソルもそうでしたけど、下位にいたりうまくいっていないときに失点に敏感になります。ピッチでは切り替えてやっていこうとみんな意識していたけど、それ以上にメンタルに来る部分がでかい。僕自身としては自信というか結果を積み重ねていかないといけないと思っています。成功体験を増やさないと、失点しても落ち込まないチームは作れません。練習でも試合でも勝って、試合のいろんな部分で勝つことにこだわっていかなければ」
その2018年、柏は18チーム中17位となり、J2に降格している。そのときの苦しんだ負の経験を正の結果に変えるために、ようやく出番を得た瀬川が先頭に立って戦っていく。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE