上写真=ウズベキスタンでの調整は順調と語る谷口彰悟。キャプテンとしてチームを鼓舞していく(写真提供◎川崎フロンターレ)
「戦い方の引き出し、オプションをたくさん持っておく」
慣れないウズベキスタンでの集中開催。自由の効かないバブルの中での生活。中2日での6連戦。大邱(韓国)、北京(中国)、ユナイテッドシティ(フィリピン)という対戦相手。未知の戦いが川崎フロンターレを待っている。
でも、谷口彰悟は楽しみなのだ。Jリーグでの戦いに比べてラフでタフな相手とのバトル、ピッチコンディションやレフェリングも日本とは違いがある。それをひっくるめて、まさしく「アジアの戦い」に身を投じることのできる時間を前にウズウズしている。
6月15日まで、およそ2週間の日本代表での活動が、自信になった。
「このACLに参加する前に代表活動で他の国のチームと戦えたのは、僕の中では非常に良かったという思いがあります。Jリーグとは違ってよりシンプルにゴールを目指す、強さや高さを生かしてくるサッカーが多くなると思っています。そういう相手にどう戦うかは合わせていかないといけないですし、Jリーグのように自分たちのサッカーができるとは思っていません。戦い方の引き出し、オプションをたくさん持っておくのは大事なことです」
日本代表ではセンターバックとしてその確かなアクションで信頼を集めたし、ボランチでも起用されてそつなくこなす安定感も披露した。そんな一つひとつの経験が、充実感となって全身に広がっていった。
川崎Fとしてはこれまで7回のACLでベスト8が最高記録。だが、キャプテンとしてそんな過去を超える手応えがある。
「以前に参加したときよりもいまのチームのほうが一人ひとりの強度が上がっていると思います。球際や競り合い、そういうところの意識は間違いなく上がってきています。その意味ではこれまでの反省というか、Jリーグと同じ戦いでは上回れないと思っているので、そういうところを今大会でしっかり生かせるんじゃないかという、自分たちへの期待は間違いなく持っています。一人ひとりの意識やタフさは確かに伸びていますからね」
スケジュールやグラウンドコンディション、相手の特徴を考えると、やはりセットプレーは大事にしたい。谷口、ジェジエウのツインタワーは大きな武器になる。
「こういう大会で拮抗してくるとセットプレーの重要性が増してくると理解しています。セットプレーで取れると楽というか、チームの戦いが楽に変わりますからね。そこは僕自身もかなり狙っていきたい。でも、取られると苦しくなるので、守備でやらせないのは大事です。でかくて強くて高くて、という選手がたくさんいると思うので、最後まで抗う姿勢を見せないといけない。攻守にキーになると思います」
初戦は韓国の大邱が相手。日本時間で27日午前1時キックオフだ。メンタルもフィジカルも、心地よいカウントダウンが始まっている。
「より試合モードに切り替えて、やはり初戦が大事なので、全員でこの大会を勝ち上がる空気を作ることをキャプテンとしてやっていきます。全員がいい準備をしないと簡単に勝てない総力戦ですから」
谷口にとっては5回目となる今回のACL、当然のターゲットはアジア・チャンピオンだ。歴史を変える戦いが、間もなく始まる。