川崎フロンターレが優勝を目指してAFCチャンピオンズリーグに臨む。グループIはウズベキスタンでの集中開催で、6月27日(日本時間)から中2日で6試合。ジェジエウは過酷なスケジュールの中で、アジアの難敵相手に屈強の肉体をフルに生かして歴史を変えるつもりだ。

上写真=ジェジエウが初めてのACLに臨む。「特別なことをする必要はない」と自信を持って戦う(写真◎J.LEAGUE)

「大事なのは集中力。一瞬でも抜けばやられます」

 さあ、ジェジエウの出番だ。

「どこも体格が大きくて力強い選手が揃っているな、という印象です」

 186センチ84キロ、筋骨隆々のディフェンダーだ。韓国の大邸FC、中国の北京国安、フィリピンのユナイテッド・シティFCと戦うグループリーグで、負けるわけにはいかない。むしろ、リミッターを外して全開パワーが見られる最高の舞台になるかもしれない。

 ジェジエウにとっては初めてのACL参戦となる。2019年は日本に来て最初の年ということもあって登録外となった。だが、今年は3年目で守備の大黒柱。満を持してのアジア進出だ。

「初めての大会なのでどれだけうまくやっていけるかに重点を置きたいと思います。全員で自分たちのサッカーを証明したい」

 初めてのACL参加となるのはジェジエウだけではない。今回はクラブに登録しているメンバー全員で、開催地のウズベキスタンに乗り込む。国内でもトップチームの試合になかなか絡んでいけない選手もいる。そんな選手も含めて、「全員で」を強調するのだ。

 右サイドバックでプレーしたイサカ・ゼインもそんな1人。 J1第21節の横浜FC戦がプロデビューで、続く天皇杯2回戦のAC長野パルセイロ戦でもプレーした。右センターバックとして隣に立ったジェジエウは、プレー面でもメンタル面でもしっかりサポートした。

「素晴らしい能力を持っているから、チャンスをもらえたことは大きな意味をもたらすのではないかと思います。みんなでサポートして声掛けして、自信を持ってプレーするように良い環境を作ることができたと思います。この2試合で自信を持ってプレーできたと思いますし、もっともっと自信が出ると思います」

 一人ひとりの小さな自信が大きなうねりとなって、アジアの難敵に向かっていく。

「自分たちが何か特別にしなければいけないことはないと思います。試合が始まって相手がどのような形でくるのかを見ながらプレーしていきます。大事なのは集中力。一瞬でも抜けばやられます」

 川崎Fはここまで8回、この大会に出ていて、最高が3回のベスト8。今回の目標はもちろん優勝だ。

「フロンターレとしてACLはまだ取っていないので、そこを目指して一戦一戦戦います。そうすれば、フロンターレの歴史が変わります。歴史を塗り替えられるようにしたい」

 その一員として、ジェジエウの名前を刻んでみせる。