横浜FCの中村俊輔が10日、オンラインで取材に応じた。6月2日の川崎フロンターレ戦で8節の広島戦以来(4月7日)、約2か月ぶりに出場を果たし、J1通算400試合出場を達成。監督交代を機に「前の方」でのプレーを求められるようになったことで、「自分を取り戻しつつある」と語った。

上写真=オンライン取材で後半戦への思いを語った中村俊輔(写真提供◎横浜FC)

若い選手を乗せるのは監督やコーチだけの役目じゃない

 中村は前節の川崎F戦に途中出場し、J1通算400試合出場を達成した。長く海外で活躍していたために、偉大な記録ではあるにせよ、前人未到の記録というわけではない。その記録自体について個人としての強い思いはないという。ただ一方で、「こうやって長くできているのは前も言いましたけど、色んな人のおかげ。自分のことより、周りに感謝して、またいいプレーしたいという気持ちが沸いています」と、周囲への感謝を改めて口にした。

 磐田から横浜FCに加入して、今季で3シーズン目だが、今、これまでとは異なる状況を迎えている。下平隆宏監督から早川知伸監督に代わり、求められることが変わったからだ。

「ハヤさん(早川監督)とも話して、やっぱり前の方で、となりました。シモさん(下平監督)のときは後ろでチームのためにという感じでやってきたんですけど、横浜FCに来て初めて前の方でやらせてもらって、やりやすいというか。『ああ、自分のプレーを取り戻しているな』という感じ。練習でも調子いいと思うし、早く試合で前の方でやりたい。まだ1勝しかしていないので、他の選手を生かす元々のプレーをして、チームとして自信を持って試合に臨める状態に持っていきたいですよね」

 これまでボランチでプレーすることが多かったが、川崎F戦ではトップ下でプレーした。

「川崎戦は1トップ、2シャドーでしたけど、交代する時にやっぱり2トップのトップ下1枚でとなって。この年齢になってまさか3-5-2のトップ下を、と思うじゃないですか。0-2で負けていたのもあるかもしれないし、ただそういうふうに考えて、やらせてくれる分、良いプレーをしたいし、しなきゃなと思うので。だからこれからも、前の方で相手の脅威になれるようにしたい」

 練習では4-2-3-1のトップ下や2列目の右でプレーしているようだ。「全然、視界が開けたという感じで、メンタル的にも。しこりが取れたというか、良い状態になっている。元々の自分のプレーで、横浜FCに来てずっとボランチだったので、違いが出せるプレーを意識して早くゲームに絡みたい」と攻撃的なポジションを得た中村俊輔は、水得た魚のごとく軽快にピッチを泳ぐことを予感させる。

 もちろん自身の年齢も役割も、そしてチームの状況も分かっている。順位を上げていくには「危機感を持つことが重要」と強調する。「もちろん無くはないし、みんなでどうにかしようという気持ちはあるんですけど。体を動かすのはメンタルですが、一人一人バラバラではダメ。やっぱり集団になったときのパワーがないと。自分らで危機感を持ってやるしかない」と自身にもチームにも発破をかける。

「選手である以上は年齢は関係ないし、結果がすべて。今はこういう状況ですが、後半戦は自分のプレーで打開できる、打開したい、打開しなきゃいけない。前の方でポジションを考えてくれているので、できる自信もありますし、うまく味方にいいプレーをさせて、勝ち点をどん欲に取りにいきたい。そうすることが理想。そういう欲が今、出ています。若い選手を乗せるのは、監督とかコーチだけの役目じゃないというか、そういう役割をしたいですね」

 ハムストリングのケガもあって、今季はここまで4試合の出場にと留まっているが、「70パーセントくらい」まで状態は回復。横浜FCのナンバー10はリーグ中断期間を使ってさらに状態を上げ、後半戦で巻き返すと誓った。