横浜F・マリノスは10日、アンジェ・ポステコグルー監督が退団し、スコティッシュ・プレミアシップのセルティックFCの監督に就任すると発表した。なお、13日のルヴァンカップ・北海道コンサドーレ札幌戦から後任監督が決まるまでの間は、アカデミーグループダイレクターであり、Jエリートリーグで指揮を執っている松永英機氏が暫定的に指揮を執る。

上写真=横浜F・マリノスの監督を退任し、セルティックの監督就任を発表したアンジェ・ポステコグルー氏(写真◎J.LEAGUE)

残念なことに、お別れをする時がきました

 横浜FMのポステコグルー監督が退団し、セルティックFCのオファーを受けて、同クラブの監督に就任することになった。クラブ間での協議を重ねた結果、ポステコグルー監督の意識を尊重して双方合意のもと、シーズン途中ではあるものの、今回の決定に至った。

 クラブは、横浜F・マリノスを支え、新たな歴史を築いて多くの功績を残し、ポステコグルー監督の『新たな挑戦をファミリーとしてサポートしたい』としている。

 なお13日に予定されているJリーグYBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第2戦北海道コンサドーレ札幌戦(17時キックオフ/@ニッパツ)からは、F・マリノススポーツクラブ・アカデミーグループダイレクターであり、J エリートリーグで指揮を執っている松永英機が監督として暫定的に指揮を執る。後任については決まり次第、発表となる。以下は、ポステコグルー監督がクラブを通じて発表したコメント。

■アンジェ・ポステコグルー監督のコメント

「マリノスファミリーの皆さんへ

 皆さんにお知らせすることがあります。残念なことに、お別れをする時がきました。横浜F・マリノスの監督になり3年半が経ちますが、新たな挑戦に踏み出すことを決断しました。横浜F・マリノスに関係するすべての人たちに対し、言葉では表すことのできない感謝の気持ちを持っています。

 クラブスタッフ、チームスタッフの皆さん、選手たち、そしてこの国で最も情熱的なファン・サポーターの皆さんから、世界中のどの監督もがうらやむような厚いサポートをいただきました。

 私が監督に就任した際、横浜F・マリノスを日本中で誰もが話題にするようなチームにするというビジョンをお話ししました。成功をもたらすことはもちろんですが、皆さんがクラブを誇りに思えるようなサッカーを実現したいという想いでした。

 多くの困難があり、その道のりは決して簡単なものではありませんでしたが、我々は特別なことを成し遂げられるということを信じ続けました。多くの特別な瞬間がありましたが、2019 シーズンのJ リーグ制覇を上回るものはありません。あの日産スタジアムでの最終戦は、いつも私の心の中にあり続けます。ファン・サポーターの皆さんをワクワクさせることができたことも誇りです。妥協を許さずに常に成長を求め、素晴らしいサッカーを見せることができました。選手が日本代表に選出されたことや、夢を追い求め欧州にチャレンジする選手がいたりと、多くのことを成し遂げてきました。

 コロナ禍で、ファン・サポーターの皆さんの大歓声をスタジアムで聞けなかったことは寂しかったですが、様々な制限がありながらもチームを応援する気持ちは伝わっていました。私と私の家族を代表して、チームスタッフ、選手、素晴らしいファン・サポーターの皆さんに感謝をお伝えします。ありがとう。

 私は離れても、マリノスファミリーの一員ですし、皆さんは常に私と私の家族の中にあり続けます。

Forever F.Marinos
ボスより」

 また、黒澤良二代表取締社長もコメントを発表している。

「この度、アンジェ・ポステコグルー監督が横浜F・マリノスの監督を双方合意のもと退任し、セルティックFCの監督に就任することになりました。2018 年に横浜F・マリノスの監督に就任以来、ハイプレス、ハイラインに代表される『アタッキング・フットボール』をチームに浸透させ、J リーグにて『超攻撃的サッカー』を表現しました。2019 年に、15 年ぶりとなるリーグ優勝をもたらしたことは、ファン・サポーターをはじめ、横浜F・マリノスに関わるすべての方々を幸せにしてくれました。2020年は、AFC チャンピオンズリーグにて、クラブ史上初となる決勝トーナメントに進出。2021 年は、現時点でリーグ戦16試合を消化して3位と首位を追っています。

 これまでクラブに関わった方々、歴史、文化をリスペクトし、パスを受け取ったポステコグルー監督が手腕を発揮した3年半で、本当に魅力あるクラブになりました。今季、タイトル獲得を目指すチームにとって、シーズン途中の退任は大きな痛手です。しかし、リーグ優勝を51 回数える欧州の名門クラブから届いたオファーに『挑戦したい』というポステコグルー監督の想いを受け止めて送り出すことが、横浜F・マリノスがクラブとしてできる最大の敬意だと考えました。

 ポステコグルー監督がチャレンジし作り上げ、結果を残した魅力ある『アタッキング・フットボール』をこれからも継続し、皆さまに夢と感動と笑顔をお届けするチームを目指していきます。ファン・サポーター、スポンサーの皆さま、関係各位には、今回のポステコグルー監督の決断とクラブの判断をご理解いただければ幸いです」