「娘も感動してくれました」
――これで1-1に追いついたわけですが、決めたあとにすぐにゴールにボールを拾いにいってから投げキッス、そして左胸の川崎フロンターレのエンブレムをたたいて喜びを示しました。
LD あの日のあのゴールは自分の中で特別ものでした。試合後のインタビューでも話しましたが、次の日が娘のエロイーザの7歳の誕生日でもあったので、彼女に捧げるゴールになったのです。それに、やはり一人のモチベーションをピッチの中で表現することによって、仲間を鼓舞することにもなりますから。
――お嬢さんは喜んだでしょうね。こんな素晴らしいプレゼントはなかなかないですから。最高のパパでは?
LD アリガトウゴザイマス! あの試合後のインタビューを聞いて、娘も感動してくれました。
――それにしても、改めてまるでマンガのようなゴール。パーフェクトでした。
LD そうですね。でも、ボールがゴールに入ればいつでもパーフェクトだと思っていますよ(笑)。
――なるほど(笑)。この同点ゴールのあと、もう1点を狙いにいきましたが、残念ながら引き分けに終わりました。それでも無敗記録を継続する貴重なゴールでしたし、その記録は6月2日にJ1リーグが中断した現在でも続いています。
LD 無敗記録というものをここまで作り上げることができていますが、自分たちがなぜできているかといえば、目の前の1試合1試合しか考えていないからです。次の試合にだけ集中して戦ってきているからこそ、記録を伸ばせていると思っています。監督もうまく選手を入れ替えながら使ってくれているので、普段出ていない選手もチャンスを生かせますし、出場時間が長い選手も休みをもらっているので、チーム全体としていい流れでここまで来ていると思っています。
――今回は5月のベストゴールを受賞したわけですが、5月は7試合すべてに出場して5勝2分け、3得点でした。どのように振り返りますか。
LD 個人的にもチームとしてもすごくいい月だったと思います。自分もゴールができていますし、チームとしてもいろいろな選手が出場しながら無敗を続けています。フロンターレとして毎試合勝ち点3を取るために戦っていますけれど、難しい状況のときに引き分けで終わることができているのも強みだと思います。
――6月2日までの成績は、21試合中20試合に出場して、シュートは58本放っていて12得点を挙げています。決定率は20.7%で、過去2年で一番良かった来日1年目の20%(シュート45本で9得点)を上回っています。
LD 分析してみると、出場時間が伸びていますし、その分、ゴールのチャンスも増えているので、今シーズンは良い状況で試合をこなせているのではないかと思います。
――その12得点で現在、得点ランクトップです。他のチームのブラジル人選手から、ゴールをたくさん取っていたりチームが独走していることで、冗談でも「ちょっとストップしてくれよ」などと言われたりしませんか。
LD ブラジル人選手たちはみんな、栄誉をたたえてくれますね。異国に来ている同じ国の仲間が活躍することで、いつもお互いが応援しあっています。自分がゴールを重ねていて、チームの一員としていい状態で戦えていることは、他のブラジル人選手たちもそのプレーに値することだと言ってくれています。フロンターレというチームはテクニックの部分を取り上げられることが多いですけれど、技術面だけではなくて走ったり戦ったりする姿勢がこの結果につながっていると、他のチームの選手も言ってくれています。
――これだけ活躍すると、相手も何とか止めようと背後から相当な強度でチャージに来ているように感じます。ピッチに倒れ込むことも増えているのはないですか。
LD 結果を出せば出すほど、そうなるのは自然なことだと思います。自分だけではなくて(三笘)薫を見てもそうだと思いますね。去年、あれだけの大活躍を見せて、相手も薫に2、3人をつけてきてより強固なディフェンスを表現しようとしています。薫も去年とは違うな、というシーズンを過ごしていると思いますけど、自分がマークを引きつければチームメートにスペースができますし、自分が動くことで相手を釣ることができれば味方を楽にできますから、何の問題もなくできています。
――AFCチャンピオンズリーグも待っていて、これから夏場の厳しい戦いに入っていきます。
LD 暑さに関しては、ナイトゲームであれば問題ないですよ。クラブとしても選手のコンディション高める準備をしてくれていますからね。ガンバリマス!
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE