サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、今シーズンもメディア横断企画「DAZN Jリーグ推進委員会 月間表彰」を実施する。当サイトでは、明治安田生命J1リーグにおいて、最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール」受賞者へのインタビューを掲載。5月の受賞者は、2・3月に続いて今季2度目となる川崎フロンターレのFWレアンドロ・ダミアンだ。驚きのオーバーヘッドの裏側を明かす。

上写真=早くも今季2度目の受賞となったレアンドロ・ダミアン。驚きのオーバーヘッドが選ばれた(写真◎J.LEAGUE)

【動画】これがレアンドロ・ダミアンが決めた「ビシクレータ」だ!

一瞬のひらめきは、練習の中では生まれない

――2・3月の月間ベストゴール(J1第5節ヴィッセル神戸戦)、4月の明治安田生命Jリーグ KONAMI 月間MVPに続き、5月はまたもや月間ベストゴールを受賞しました。おめでとうございます。今シーズンも本当に素晴らしい活躍が続いていますね。

レアンドロ・ダミアン(以下LD) アリガトウゴザイマス!

――今回選ばれたのは、5月26日、明治安田生命J1リーグ第16節の湘南ベルマーレ戦で決めたオーバーヘッドシュートでした。この試合はベンチスタートで、56分に先制点を許してしまい、0-1とリードされた状態の64分にピッチに入りました。その際、湘南のDF大野和成選手とにこやかに話していましたね。

LD そうでしたね。「いいゲームでここまで来ているね」と話しました。

――とてもフレンドリーな感じに見えて、リラックスしたいい状態でゲームに入ったのではないかなと感じたのですが、対戦相手と会話することはよくあるんですか?

LD そうですね。ピッチの中ではライバル関係ですけれど、それ以前に選手として一緒になってこの試合を戦い合う間柄ですから、自分の中では普通のことですね。

――1点のビハインドで送り込まれましたから、当然狙いはゴールだったと思います。

LD あの状態ではゴールがもちろん必要したし、ピッチに入るときにはどのような形でも貢献してゴールを決めたいと思っていました。

――そのとおりに82分にスーパーゴールが決まるわけですが、その得点の前、67分頃にVARで一度、ゴールが取り消されました。旗手怜央選手の左からのクロスにジャンピングヘッドで押し込みましたが、オンフィールドレビューを経てGK谷晃生選手へのファウルという判定になりました。

LD やはりあの瞬間は少し感情的にはなりましたが、サッカーの試合をやっている以上はレフェリーがそういう判断を下すことはあり得ます。ですから、いつまでも気にしていても意味はないのですぐにプレーに戻りました。

――2・3月の月間ベストゴールは5節の神戸戦で決めたものですが、そのときも同じくヘッドで決めたと思われたゴールがVARによって、クロスを上げた家長昭博選手がオフサイドだったという判定となりました。

LD そういった意味では、VARで自分のゴールが一度取り消されれば、次にいいゴールが生まれて、月間ベストゴールが取れることになりますね(笑)。

――今回の5月月間ベストゴールは、ペナルティーエリアの中でDFを背負いながら、山根視来選手の短い縦パスを受けて、右足のつま先でボールを上げてから決めた素晴らしいオーバーヘッドシュートでした。ポルトガル語では「ビシクレータ」と言うそうですね。バイシクル、つまり「自転車」という意味で。

LD 視来とはあのようなシーンがいままでも結構ありました。視来も自分の特徴を理解してくれているので、ゴールに背を向けているときはワンツーで抜けてもらうシーンが数多くありました。そういうときに彼にアシストしたこともあります。だから彼も同じようなイメージで入ってきたと思うんですけど、相手のディフェンダーが視来をブロックして中に入りづらくしていたので、他のオプションを探しました。でも、時間があったシーンではないので一瞬で判断しなければいけなかったんです。

――まさにひらめきのゴールだったわけですね。

LD ぱっと周りを見たらチームメートがいなかったので、自分でボールを上げてオーバーヘッドしたシーンでした。以前、清水戦でも似たようなプレーでゴールをしています(2019年5月12日のJ1第12節)ので、そのイメージが一瞬浮かんで、あのようなゴールになりました。

――ああいう形のシュートは練習しようとしてもなかなかできないのでは。

LD 昔からあのようなオーバーヘッドはやってきましたし、それがああいうシーンでは一瞬のひらめきで出るものです。今回のゴールのようにしっかりと上に上げてから決めるというのは、いままでの経験の中でも初めてに近い素晴らしいゴールでした。ゲームの中での一瞬のひらめきは、練習の中では生まれないものです。