6月9日の天皇杯2回戦で、J1のクラブが登場する。名古屋グランパスは岡山県代表の三菱水島FCと対戦することになった。丸山祐市を負傷で、中谷進之介を日本代表の活動で欠くセンターバックのポジションで、藤井陽也が出場すれば今季初の公式戦となる。大切な第一歩を前に静かに燃える心を明かした。

上写真=藤井陽也は今季のJ1では3試合でベンチ入り。天皇杯で出場すれば、そのプレーを足がかりに競争に名乗りを挙げる(写真◎J.LEAGUE)

「セットプレーで点も決めたい」

 藤井陽也に大きなチャンスが巡ってきそうだ。

 6月9日に行われる天皇杯2回戦。名古屋グランパスは岡山県代表の三菱水島FCと戦うことになった。中国サッカーリーグに参加するチームだから、プロとしてはしっかり勝つことが求められる。

 名古屋はキャプテンの丸山祐市が負傷で戦列を離れていて、副キャプテンの中谷進之介が日本代表に参加しているため不在。絶対的なセンターバックを2人欠く中で、木本恭生とともに藤井が出場することが期待されている。ピッチに登場すれば、今季初の公式戦となる。

「ここまで試合をしていないというのはありますけれど、練習でいい強度でプレーできています。体は問題なくて、久々の試合となると硬さは出てしまうかなと思うので、入りの部分でしっかり集中すれば問題ないと思います」

 名古屋は昨季、J1では丸山と中谷がフルタイム出場、藤井は記録上は「1分」のみの出場に留まった。ルヴァンカップでも1試合、フル出場しただけだった。

「これまで出番がなかった中で、チャンスがくればしっかりと特徴である対人、ヘディング、守備の部分で目の前の相手に負けないこと、他の選手のカバーもしたいと思っています。ビルドアップで攻撃の起点になりたいし、チャンスがあればセットプレーで点も決めたいと思います」

 これまで出番が限られていた分、プレーイメージははちきれんばかりにふくらんでいる。

「キャプテンの丸山選手が離脱してしまって、チームとしても不安は少なからずあると思います。だから、やってやるという気持ちが強いです。チームメートや監督、サポーターにしっかり認めてもらえる存在になりたいですし、スタメンを勝ち取る気持ちでプレーしたい」

 活動中の日本代表に中谷が参加しているし、名古屋のアカデミー出身の先輩で憧れの吉田麻也がU-24日本代表にオーバーエイジで加わって、同じくアカデミーの同期の菅原由勢も東京オリンピックを目指している。

「菅原もA代表にも入ったりして、同期の活躍は刺激になります。負けていられないです。これから天皇杯やACL、Jリーグがある中で、一歩目が今度の天皇杯だと思っています。自分のプレーをしてもっともっと成長していきたい」

 日本代表、U-24日本代表の試合はテレビでじっくり見て研究しているという。どんどん刺激を取り込んで、「一歩目」を確かに踏みしめるつもりだ。