JリーグYBCルヴァンカップはプレーオフステージに突入する。ホーム・アンド・アウェー方式で戦うトーナメントだが、FC東京の相手は湘南ベルマーレ。まずは6月5日に第1戦をホームで戦う。長谷川健太監督は勢いを大事にするチーム同士の戦いを前に、U-24日本代表に選外となった安部柊斗の背中を押した。

上写真=試合会場の駒沢陸上競技場で前日練習。雨の中のトレーニングとなったが、長谷川健太監督は「改めてトーナメントに入る感じがします」(写真提供◎FC東京)

「かわそうというような発想はありません」

 ルヴァンカップはいよいよトーナメント形式のプレーオフステージへ進む。ホーム・アンド・アウェーで勝ち抜きを決める決戦で、FC東京は6月5日、湘南ベルマーレとホームで第1戦を迎える。

 ホームといっても今回は味の素スタジアムではなく、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場。「われわれの時代はよく試合をしましたし、(FC東京が)J3でも使ったことがあります。懐かしくて伝統のあるスタジアムですね」と長谷川健太監督。試合前日に練習を行って、ピッチの感触を確かめることができたのはメリットだ。

 前回大会のウィナーとして臨む、2試合で負ければ終わりのノックアウトラウンド。「練習会場が変わるだけで選手の雰囲気も変わりますね」と試合を行うスタジアムでの前日練習の効果を、ポジティブに生かしていく。

 相手は湘南ベルマーレだ。J1リーグではここ5試合で勝利がなく、その間、複数得点を記録した試合もない。向こうは中2日、こちらは中5日での戦いだ。それでも「アグレッシブにやってくる」とチームの勢いが色あせていないことを警戒する。

 アグレッシブといえば、FC東京の持ち味でもある。失えば負け、手にすれば勝つ。そのぶつけ合いが見られる試合になりそうだ。

「(湘南の勢いを)かわそうというような発想はありません。凌駕したいと思います」

 きっぱりとそう話すのだった。

 ようやく取り戻しつつある「FC東京のアグレッシブ」、きっかけの一つは中盤が安定してきたことだ。青木拓矢と安部柊斗が最終ラインの前に立ち、その前で高萩洋次郎が攻撃につなげていく。

「現状は青木と安部、高萩でうまくバランスを取ってくれています。安部は学ぶべきものが多いと思いますので、先輩から吸収して、実際のゲームの中で経験を踏まえながら、オリンピック代表に入れなかった悔しさもあると思うので、ルヴァンカップの場で結果で示してほしいと思います」

 そう言って安部の背中を押す。まさに、全身でアグレッシブさを体現するプレーが持ち味の「火の玉小僧」に期待だ。

「中盤の組み合わせは連敗中の課題でした。探り探りやってきましたが、チーム状況が好転してくれたらいろいろな組み合わせが出てくるので、試していきたいと思います」

 さらなる進化のためにも、まずは湘南に勝って、プレーオフステージで優位に立ちたい。