横浜FCのプロ2年目、古宿理久がJ1初先発を飾ったのは、6月2日、明治安田生命J1リーグ第21節の川崎フロンターレ戦だった。0-2で敗れたこのゲームで最初の失点に絡んだ悔しさを覚えつつも、手応えもあったゲームはこれからのキャリアに生きるはずだ。

上写真=J1初先発は黒星。しかし、古宿理久はこの経験を無駄にはしない(写真◎J.LEAGUE)

■2021年6月2日 明治安田生命J1リーグ第21節(@ニッパツ/観衆4,855人)
横浜FC 0-2 川崎F
得点:(川)小林悠2

「やっぱり勝ちたいので負けたのが素直に悔しい」

 J1では前節の途中交代でデビュー、この川崎フロンターレ戦で初めての先発出場を果たした古宿理久にとっては、悔いの残るゲームになった。

 39分に左から川崎Fの家長昭博のクロスが飛んでくる。伊野波雅彦がクリアしたのだが、同じくクロスを追いかけていた古宿にこれが当たってしまって、走り込んでいた川崎FのFW小林悠の足元にこぼれた。小林にそのままワンタッチでゴールに送り込まれ、先制ゴールを許してしまった。

 横浜FCは新型コロナウイルス陽性判定を受けた4人、保健所に濃厚接触者と認定された1人、契約の都合でこの試合に出られないマギーニョと6人を欠く布陣だった。古宿は初先発に気を引き締め、「このゲームに関わってくれたすべての人に感謝してプレーすることが大事だと思って試合に入りました」とその意味をかみ締めながらピッチに立った。

 だからこそ、アクシデントにも近いミスを悔やみきれない。

「あの場面は自分としてはボールを触りにいってクリアしようと思って、でも届かなくて、(伊野波の)クリアボールが当たってしまって。コミュニケーション不足ですけど、任せるところは任せないと重なって失点になってしまうので、今後はないようにしないと」

 前に出てくるセンターバックの伊野波と戻りながら処理しようとしたボランチの古宿のポジションが重なりそうなところを狙ってきた家長のクロスの質は、確かに高かった。だが、言ってみればコンビネーションの問題。

 早川知伸監督もこの失点を悔やんだ。

「1点目はすごくもったいなかったですね。ベンチからバイタルエリアをケアするように指示を出した瞬間に戻りながらのセカンドボールでした。重要なところを消すのはまだまだチームとして落とし込めていません」

 苦しい台所事情であることもあって、古宿は初先発に意気込んでいた。

「僕はまだ20歳だけど年齢は関係なくて、プロである以上、チームに貢献するのが第一です。持ち味は走るところなので、攻撃のスイッチのパスや守備を意識しました」

 後半に入ってからは押し返して、自分たちの時間を作ることができた。 

「センターバックの立ち位置を変えてパスコースが増えましたし、サイドのアタッカーの仕掛けが後半増えてきたので、セットプレーやコーナーを取る回数が増えたのが良かったと思います」

 72分に一気に3人を投入したタイミングで、3バックの左にいた袴田裕太郎を中央に、中央に入っていた中塩大貴を左に配した。長身のクレーベを入れて前線に配置したこともあり、左利きの中塩のオープンパスと組み合わせることができた。

「ただ、結果を見るとシュート数が少なくて、つないでいるだけでは得点にならないので、もっと精度を上げなければと思いました」

 古宿はピッチの中でそう感じていた。

「ゴールにつながる決定的なプレーはできませんでしたけど、手応えは感じましたし、でもやっぱり勝ちたいので負けたのが素直に悔しいです」

 圧倒的な強さを誇る川崎Fに対する確かな実感と負けた悔しさが、初先発の収穫。古宿のキャリアの中で、このゲームがいつか大きな意味を持つだろう。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE