上写真=前節の大分戦で今季4度目の先発出場を果たした渡辺皓太(写真◎J.LEAGUE)
継続的に良いパフォーマンスを
前節の大分トリニータ戦で、渡辺皓太は7節以来のリーグ戦での先発出場を果たした。岩田智輝と中盤の底でコンビを組み、ともにフル出場。82分までゴールを待たねばならなかったが、3試合ぶりの勝利に貢献した。
渡辺にとっては、今季リーグ戦初のフル出場でもあった。優位にゲームを進めながらもゴールが奪えなかった試合を、「90分通して集中するのは難しいゲームだったですが、チームとしても個人としても焦れずに、最後に1点取れば勝てるというメンタルで試合をできたので、そこは良かったかなと思う」と振り返った。先発やフル出場、勝利の喜びよりも反省の思いのほうが強いようだ。
「課題は多くて、90分通して本当に質の高いプレーをしないといけないと思ったし、立ち上がりにできていたプレーを後半の最後まで続けないといけない。そのメンタルや集中力を上げないといけないなと思った。普段しないようなパスミスもあったし、そういうのをゼロにしていきたいと思った」
前回先発の湘南ベルマーレ戦は、4月3日の試合。以降、1カ月以上もの間、ベンチスタートが続いた。その間には東京五輪を目指すU-24日本代表からも外れた。日本代表と兼任で指揮を執る森保一監督は、今回の招集メンバーから大会に臨む18人へと絞り込む意向で、東京五輪出場の可能性はほぼ潰えた。
渡辺は「当然の結果だと思う」と受け止める。「チームで出ていないことがすべてだし、実力的にも選ばれた選手よりも劣っていると分かっている」と、現状をしっかり直視している。
ただし、それは諦めではない。「このまま落ちていくのではなく、絶対にここから這い上がりたいし、そのためにはマリノスで結果やプレーの質にこだわってさらに上を目指して毎日頑張っていきたい」と、静かな口調で決意を語った。
そのために必要なのが、継続性だ。
「すべてのレベルを上げないといけないし、出たときにはやっぱり違うなと思われるようなプレーを続けないといけない。『あの試合は良かった』とか言われないよう、継続的に良いパフォーマンスを続けられるように意識してやっていきたい」
日々の戦いの先に、必ずや栄光があると信じている。
取材◎杉山 孝