5月26日、明治安田生命J1リーグは第16節が開催され、鹿島アントラーズはセレッソ大阪とカシマスタジアムで対戦。前半をスコアレスで終えると、後半に土居聖真のパスを受けた荒木遼太郎が右足で決勝点を奪取。ホームでリーグ戦2試合ぶりの勝利を手にした。

上写真=決勝ゴールを挙げて喜ぶ荒木遼太郎(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月26日 J1リーグ第16節(@カシマ/観衆5,977人)
鹿島 1-0 C大阪
得点:(鹿)荒木遼太郎

ゴールシーンに凝縮された3つの才能

 72分に荒木遼太郎の今季6点目が決まり、試合の均衡を破った。結果的にこのゴールが決勝点となり、2試合ぶりの勝ち点3を獲得した。「個人の結果も出せて、チームが勝てることが理想です。今日のような試合が続いていけばいいかなと思っています」と深紅の13番は試合後に充実した表情を浮かべた。

 ゴールを生み出した一連のプレーは、荒木の真骨頂と言えるだろう。敵のミスパスを拾って相手3人を引きつけた土居聖真からパスを受けたときはフリーの状態。それから一度切り返し、シュートコースを切り開いてから右足を振り抜いた。

「聖真くん(土居)にボールが入ったとき、前のスペースを見たら相手がいなくて、走り込んだらフリーでシュートを打てると思いました。あとは相手を見ながら、(シュート)コースに流し込むだけでした」

 荒木はゴールシーンを淡々と振り返るが、そこには状況を見極める判断力と、先の展開を読む予測力、そしてイメージしたことを実行するための技術力といった才能が凝縮されている。決勝点のヒーローは自らのゴールで連敗を阻止し、「負けた後の試合は本当に大事。それはみんなも分かっていて、チーム一丸となって戦う中、無失点で勝てたのは大きい」と力を込める。

「ホームでたくさんのサポーターの方々に応援される中で、こうやって勝ち点3を取れたのは大きい。これからも試合は続いていくので、勝ち点3をどんどん積み上げていきたいです」

 進化を続ける19歳のアタッカーが、これからも前線で鹿島を引っ張っていく。

取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE