名古屋グランパスのキャプテン、丸山祐市が重傷で長期戦線離脱することが明らかになった。だが、木本恭生がいるのは大きな安心だ。さっそく明治安田生命J1リーグ第15節の徳島ヴォルティス戦でフル出場、まずはクリーンシートに抑えて及第点だ。

上写真=丸山祐市の重傷は心配だが、代わりに木本恭生が名古屋のゴールを守り抜く(写真◎J.LEAGUE)

「もう少し時間をかけないと」

 名古屋グランパスにとって、ショッキングな負傷離脱になった。キャプテンの丸山祐市が5月15日のJ1第14節清水エスパルス戦で負傷、24日には診断結果が発表された。右膝前十字靱帯部分損傷および内側側副靭帯損傷で、治療期間が約6~8カ月にわたる重傷だった。

 絶大なる信頼を受けるセンターバックだけに、チームの根幹を揺るがすことになりかねないが、そこで期待を集めるのが木本恭生だ。今季、セレッソ大阪から移籍してきて、ボランチでもセンターバックでもプレーできる守備職人。さっそく22日のJ1第15節徳島ヴォルティス戦でフル出場、無失点に貢献した。

「公式戦でシン(中谷進之介)とは初めて組む形になって、少し個人的に課題が多かったし、(マッシモ・フィッカデンティ)監督も無失点は良かったけれどミスがあったと言っていました。シンとの関係はもう少し時間をかけないといけないと感じますけど、結果を求めながらも連係や個人のパフォーマンスを上げていかないといけないですね」

 ミスについては、すでに洗い出している。守備では、しっかりとボールに寄せること。

「徳島戦では柿田(裕暉)選手のような背の高い選手に起点を作られました。後ろを気にし過ぎて相手にキープされたので、もっとボールにアタックするというか、自由にさせないのが課題です」

 攻撃面では焦らないこと。

「相手の2トップが速いプレッシャーをかけてきて、自分のところからいい運びができませんでした。少し時間を作れれば、前の選手といい距離ができたので、少し早く行き過ぎた印象があります」

 あとは、ポジションの微調整にも取り組んでいく。4バックのセンターに入る中谷は右を担当しているから、木本は左。これまでは丸山と組んで右に入っていたので立ち位置が変わることになったが、C大阪時代には左でプレーしていた。

「個人としては去年まで左なのでやりづらさはないですが、グランパスでは右が多かったので、体の向きや受けるときの癖はあります。でも、練習でも左でやることが多くなってきているので、感触として直していきたい」

 中谷が日本代表に選出されたことで、さらなる刺激をチームに持ち帰るはず。6月にはAFCチャンピオンズリーグも控える中で、木本も負けじと高めあって、丸山不在のピンチをチームの成長へのチャンス変えるつもりだ。