上写真＝決勝点をスコアしたディエゴ・オリヴェイラのボレー直後のショット（写真◎J.LEAGUE）
■2021年5月22日 明治安田生命J1リーグ第15節（＠味の素Ｓ/観衆4,886人）
ＦＣ東京 1-0 Ｇ大阪
得点:（Ｆ）ディエゴ・オリヴェイラ
・ＦＣ東京メンバー:GK波多野豪、DF内田宅哉、渡辺剛、森重真人、小川諒也、MF青木拓矢、安部柊斗、田川亨介（75分:三田啓貴）、髙萩洋次郎（80分:永井謙佑）、アダイウトン（80分:東慶悟）、FWディエゴ・オリヴェイラ（90分:品田愛斗）
・Ｇ大阪メンバー:GK東口順昭、DF三浦弦太、昌子源、菅沼駿哉、黒川圭介、MF井手口陽介（82分:チュ・セジョン）、矢島慎也、塚元大（60分:小野瀬康介）、倉田秋（71分:ウェリントン・シウバ）、FW宇佐美貴史（82分:パトリック）、レアンドロ・ペレイラ（60分:一美和成）
開始1分も経たずにネットが揺れた
開始1分も経たないうちに、ネットが揺れた。決めたのはホームチームのFC東京だった。
右サイド深い位置に内田が蹴り込み、右サイドハーフの田川が追う。ボールはG大阪の黒川にクリアされたが、そのボールを青木が敵陣内で収め、2次攻撃を開始した。右タッチライン沿いに開いていた高萩、青木、高萩とつないで上がってきていた右サイドバックの内田へパスを通す。内田は詰めてきたCB菅沼を難なくかわして、ボックス内へと進入。中央にパスを送るとD・オリヴェイラが冷静に決めた。
先制ゴールはFC東京に勇気を与えると同時に、自分たちの持ち味を発揮させることにつながった。その後、G大阪にボールを持たれる時間が訪れたが、焦れることなく、集中した守りを見せる。そして攻撃に転じれば、鋭いアタックで相手ゴールを脅かしていった。
前半を1-0のまま終えて折り返した後半も、同じ構図のまま時計の針は進んだ。G大阪もボールを保持して敵陣深く進入し、ゴールをうかがうが、FC東京はしぶとく守ってファストブレイクを仕掛けてみせた。
60分過ぎからは互いにフレッシュな選手を次々と投入し、ゲームを動かしにかかった。しかし、どちらもネットを揺らすことはできない。FC東京は勝負を決めるための追加点を、G大阪はゲームを振り出しに戻すために同点弾を目指し、終盤は激しい切り替えの応酬となる。それでもスコアは動かぬまま、タイムアップの笛が鳴った。
「自信につながる勝利になったと思います」（D・オリヴェイラ）
「連敗を止めて迎えたこの試合で勝つか負けるかで、次に進めるかまた逆戻りするかと考えていた。きょう勝てたので、次につなげることができたと思う」（内田）
FC東京にとって、この試合がいかに重要で、大きいものだったか。2人の発言からも分かる。長谷川健太監督もその意味を語った。
「難しい試合だったと思いますが、ホームで久々の勝利をあげることができました。1-0という結果でしたが、立ち上がりから選手がゴールに向かう姿勢を見せてくれた。追加点が取れればいうことなかったですが、われわれにとっては非常に大きな勝利になりました」
この結果、FC東京は2試合連続の完封で、今季2度目の2連勝。前節の柏戦で得た自信を、さらに大きく膨らますことになった。次節は中3日でアウェーの清水戦。今季初の3連勝をかけて、信じるスタイルで臨む。対するG大阪はまたも無得点で敗戦し、これで4連敗。三浦を右サイドバックに起用するなど、相手の強み（左SHのアダイウトン）を消す対策を講じ、最終ラインをてこ入れしたものの、勝利を手にできなかった。ゴールが遠く、守備も耐えきれない負のスパイラルを脱することができるか。G大阪は中4日で、ホームに徳島を迎えるーー。
取材◎佐藤 景