川崎フロンターレのキャプテン、谷口彰悟がついに日本代表に復帰した。日々の努力が実ったが、ワールドカップ予選も戦う真剣勝負に気を引き締める。およそ3年半ぶりの選出となり、気分はほとんど新人だというが、これまでの経験にフレッシュさを加えて世界へ出ていくつもりだ。
上写真＝谷口彰悟は約3年半ぶりに代表入り。その間の経験をぶつけていく（写真◎J.LEAGUE）
「個で守ってしまえば完結するシーンはかなりあると思う」
川崎フロンターレのセンターバック、谷口彰悟が、ついに日本代表に復帰した。待ちに待ったカムバックだ。何しろ、2017年12月のE1選手権でプレーしてから、およそ3年半、音沙汰なしだったのだ。
その間もハイパフォーマンスを見せてタイトルも獲得して、日本のトップセンターバックの一人として認められてきた。しかし、代表だけが遠かった。
「久々の代表選出だけど、ほぼ初めてと言ってもいい感覚でいます」
谷口自身もそんなふうに笑う。
「日々のトレーニングやJリーグでも戦ってきましたし、簡単ではないなというのはずっと思いながらやってきました。もっともっとやらないといけないことがあって、自分なりに一生懸命やってきたつもりです。それが今回、こういう結果に結びついたと思うので、自信を持って臨みたいと思います」
充実の表情だった。
「対人の部分だろうなと感じています」
谷口は森保一監督に評価された部分をそう推測する。
「個で守ってしまえば完結するシーンはかなりあると思うし、ピンチを先読みして潰すことは意識して頑張ってきました」
川崎Fでは築き上げたコンビネーションで守れるが、代表チームではそうはいかない。だからこそ、磨いてきた対人プレーを思う存分生かすことができる。
「今度は自分がその役割を」
森保監督が率いる日本代表の印象は「すごいな」だった。
「一人ひとりの高い意識というか、攻守において強度の高いプレーを続けていて、シンプルに見ていてすごいな、と。誰もサボっていないですしね。そこは僕たちもJリーグでこだわっていかないと、海外組との差は広がる一方だと感じていました。実際に選ばれてこれから一緒にトレーニングしたりすることになるけれど、肌で感じるものはたくさんあると思うので、実際に感じて自分の力にしてやっていきたい」
森保監督は常々、代表の経験をクラブに還元してほしいと話す。3月の代表の活動では山根視来が、U-24代表の活動では三笘薫、田中碧、旗手怜央が参加し、帰ってきてからの変化を、チームのキャプテンとして頼もしく見つめていた。
「この前の3月の代表ウィークでは、彼らが帰ってきたときに、刺激を受けてきたなというのが一瞬で見て分かりましたし、どのようなことを感じてこのチームでやろうとしているのか、得た刺激をどんどんとこの川崎フロンターレにもたらしてくれてありがたかったんです。今度は自分がその役割を担わなければいけません。単に経験をしにいくつもりではなく、ワールドカップ予選があるので結果を残さなければいけないし、自分が成長できるような時間にしたいと思います」
そのためにもやはり、日々の取り組みが大事になってくる。その意識が確立されているから、川崎Fは強いのだ。
「一人で奪い切るというバトルのところを含めて、ベースがきちんとないと戦えないと思っています。自分の良さを出すところもそうですが、最低限やらなければいけないことを、できるだけレベルの高いプレーで見せていきたいと思います」
まずは横浜FCとの一戦に、バトルを仕掛けていく。