5月17日、鹿島アントラーズの小泉慶が練習後のオンライン取材に応じた。チームはJ1リーグ 第14節で、それまで1敗のみだった横浜F・マリノスを5-3で破り、強さを証明した。次は19日にアウェーの地でルヴァンカップ第6節北海道コンサドーレ札幌戦を戦う。

上写真=5月17日、鹿島アントラーズのトレーニングを行なう小泉慶(写真◎KASHIMA ANTLERS)

走行距離13.446キロ、スプリント数41回

 鹿島がリーグ戦4連勝中と好調だ。5月9日からJ1リーグ第13節FC東京戦、第21節(前倒し開催)名古屋戦、第14節横浜FM戦と中2日での3連戦を強いられたが、いずれも複数得点を奪って勝ち点3を積み上げた。その中でも、名古屋戦で披露した小泉慶のパフォーマンスは圧巻だった。

 最前線のFWとボランチの間を所狭しと駆け回り、ボールを回収していく。走った距離は13.446キロ、スプリント回数(時速24キロ以上)は41回と、いずれも断トツで両チーム最高値を記録。2位につける名古屋の組織を機能不全に陥れ、シュート本数を「0」に抑えた立役者の一人となった。

「例えばタロウ(荒木遼太郎)とか、(土居)聖真くんとか、ヤッさん(遠藤康)もそのポジションをやっていますが、僕がそれ(彼らと同じようなプレー)をやるのは厳しいし、(相馬直樹)監督が求めているのはたぶん違うところだと思います。

 自分が前の位置で相手にプレスをかけること、セカンドボールの拾い合いで(味方を)助ける役割、あとはプレスバックすること。攻撃で何かやってくれ、というよりは、守備でチームを助ける役割を求められていると思います」

 小泉は前線でプレーする際の自らの役割についてそのように話す。「たぶん小学生以来っすね」という前線のポジションでも、「チームメイトのみんながやりやすい環境をつくってくれているので、自分としてはすごくプレーしやすい」と手応えをつかんでいる。

 リーグ戦の戦いは一段落ついたものの、5月19日にはアウェーでのルヴァンカップ第6節札幌戦が待ち受ける。すでにプレーオフステージ進出を決めている両者の一戦となるが、小泉はどの試合も勝利を奪いにいく姿勢を崩さない。

「今、チームとして良い流れがあるし、これを継続することが一番大事。ルヴァンカップはリーグ戦とはまた違うし、すでに突破は決まっているけれど、1位で突破するのと2位で突破するのとでは全然違います。だから、勝ち点3だけを求めて戦います。個人としてはどこのポジションで出ることになるのか分かりませんが、どこで出ても鹿島が勝つためにプレーするという思いが一番です」

 ボランチ、サイドバック、そして「トップ下」や「1.5列目」と呼ばれる新境地も切り拓いた。そんな小泉は、ただひたすらに勝利だけを追い求めて、常に全力で走り続ける。