上写真=オンラインで取材に応じた松波正信監督(写真提供◎ガンバ大阪)
シンプルにゴールに向かう
「私も支える立場であり、(監督就任を)決断するのは難しい状況でした。ですが、チームの変化を求めてこのような決断に至りました。私としても責任は感じていますし、この状況を何とかしたいという気持ちの中で、チームのためにという思いで引き受けました」
強化の責任者という立場であり、低迷に関して自らの責任を感じていた松波監督は、指揮を執ることに関してためらいがあったことを隠さなかった。自身の中に宮本前監督に対して「もっと何かできなかったのか」という思いもあったからだ。ただ、それでもクラブの申し出に応じたのも、チームに対する強い思いからだった。
「昨日から少しトレーニングは出て練習はしています。意識というか、思考の変化を求めたい。一人ひとりの強みを出していくことを考えてほしいと選手には話しました。もちろんいろんな原因を探らなければいけませんが、それを探るよりは今は自分たちの強みを出してほしい」
「シンプルにゴールに向かう、ゴールを目指すサッカーを求めたい。パスだったりコントロールだったり、ボールをつなぐことも、色んなチャレンジも、シンプルにゴールに向かうため」
前日の監督交代に関する会見では、和田昌裕取締役強化アカデミー担当兼普及部長が「選手たちが消極的になっている。ミスを怖れているように見える」と話していたが、松波監督はすべてのプレーが「ゴール」のためであり、シンプルかつ積極的なプレーを選手に求めたいとした。
クラブは現在、後任監督の選定を進めており、松波監督自身も「後任の決定は「早ければ早いほどいい」と話し、「うまくバトンをつなぎたい」と語った。
前回、松波監督がG大阪で指揮を執ったのは2012年。そのときも緊急登板だったが、チームを立て直すことができず、J2降格の憂き目に遭った。今回は『暫定的』な立場だが、うまく後任にバトンタッチすべく、選手たちが自信を取り戻し、持ち味を出せるチームに変えるつもりでいる。
「ゴールに向かう思考に変えるだけで、やれる選手は多いと思う」
10試合でわずか3得点という攻撃の不振を脱することは急務。本日16日、ホームの浦和戦から松波ガンバが始動する。