ガンバ大阪は14日、宮本恒靖監督との契約を解除し、当面の間、松波正信強化アカデミー部長が兼務という形で監督を務めると発表した。同日午後にはオンラインで小野忠史代表取締役社長、和田昌裕取締役強化アカデミー担当兼普及部長が会見。監督交代の経緯について説明した。

上社長=13日に契約解除となった宮本恒靖前監督(写真◎J.LEAGUE)

選手がミスを怖れている(和田強化部長)

「リーグ戦は10試合を消化して1勝。チーム状況が改善することは厳しいと判断し、今回の結論と至りました」

 小野社長は、成績不振と今後の改善が難しいとの判断から宮本監督との契約を解除したと説明した。今後、後任が決まるまでの間は「強化部長として一番、チーム状況を分かっている」ため、松波強化アカデミー部長が監督を兼務することになった。

 新型コロナの影響もあり、活動休止となるなど、今季は難しいシーズンを送っていたが、活動再開後も成績は上向くことがなかった。他チームに比べて消化試合は少ないものの、現在は18位に低迷。昨季2位のチームが10試合で1勝しか挙げられていなかった。とくに攻撃面の不振は深刻で、10試合でわずか3得点。会見に出席した和田強化部長は「選手たちが消極的になっている。ミスを怖れているように見える」と現状について語り、「ゴールを目指さないといけない。今の意識を変えていかなければ」と攻撃のてこ入れを図ることが急務と指摘した。

 次期監督については、攻撃面を改善できる指導者であることが一つのポイントになりそうだ。とはいえコロナ禍でもあり、外国から指導者を呼ぶのは難しい状況だ。日本人で、現在フリーであり、かつ「経験のある指導者」を探すのは簡単ではないだろう。クラブとしては選考を急ぎ、可能であれば6月25日から始まるACLに「新しい監督を迎えて臨みたい」との意向を持つ。しかしながら「候補者について現在、情報収集している」(小野社長)であり、交渉も含めて、すべてはこれからになる。

 今後の目標について聞かれた小野社長は、まずはリーグ戦における低迷から脱することを挙げ、その上で、これから始まるACL、天皇杯、ルヴァンカップについては「目標を変えずにタイトルを目指す」と強調。今回の決断は言うまでもなく、クラブ創立30周年の記念イヤーを少しでもいい形で締めくくるため、そしてより良い未来を導くため。『決意のリスタート』は成功するかーー。