名古屋グランパスのDF森下龍矢が鹿島アントラーズ戦を控えてオンライン取材に応じた。前節のセレッソ大阪戦で名古屋加入後、リーグ戦初先発を果たしたサイドバックは反省点を語るとともに、12日のホームゲームに向けて意気込みを語った。

上写真=前節のセレッソ大阪戦で今季初先発を果たした森下龍矢(写真◎J.LEAGUE)

名古屋の勝ち方がある。ただ前に行けばいいわけではない

 川崎フロンターレに連敗した直後のセレッソ大阪戦で森下は今季初先発を果たした。ポジションは右サイドバック。フル出場して1-0の勝利に貢献したが、本人の評価は辛かった。

「守備が少し落ちているというか、まだ自分のフィーリングに合っていないと感じました。守備は大事なものですが、(セレッソ戦は)百点満点で言えば、30点ぐらいの出来だったと自分自身では思っています。ただ練習や今後の出場機会の中で成長していくのも僕の強みだと思うので、着実にフィーリングを合わせていきたい」

 攻撃面でも再確認したことがあったと森下は言う。シーズン序盤に外からピッチを眺める中で抱いたイメージをそのまま表現することはできなかったが、そのことが確認につながった。「正直、もっと前半からガンガン攻められると思っていました。でも試合は簡単ではないし、自分が思い浮かべたようにいくものではないと改めて感じました。ただ、確実にグランパスの勝ち方というのはあると思っています。それは前半をしっかり耐えて、後半の真ん中くらいまでに点を取り、守り切るというもの。そういうスタイルがある中で、前半は個人として全然前に行けなかったですが、そこで焦ることなくグランパスの勝ち方を徹底していくという考えでプレーできました。自分も後半勝負だと気持ちを切り替えてやれた。良い意味でも悪い意味でも収穫があった試合です。ただ前に行けばいいわけではないと思いました」。

 森下が『攻めて良し』のサイドバックであるのは鳥栖時代から、名古屋加入後も練習で、そして川崎Fとの第2戦のアシストなどで証明済みだ。現在の名古屋は堅守を誇るが、その守備を支える一員になれれば、つまりは名古屋仕様の『守って良し』のサイドバックに成長できれば、よりチームにおける存在感も増す。C大阪戦は初先発だったが、スタメンの機会もさらに増えていくだろう。

 次戦は中3日で迎える鹿島戦。先発するかどうか分からないものの、「鹿島は全部を注意しなければいけないチーム。伝統もあるし、鹿島は特別なチームだと思っています。だから逆にその特別なチームに勝ったら、『名古屋はやっぱりすごいな』とか、『名古屋は特別なチームになってきた』と思われるようになると思います。その実力は絶対に僕らにはあると思っています」と出場して勝利に貢献することを誓う。

 特別なチームに勝って『特別な名古屋』の特別な存在にーー。鹿島戦で連勝を飾り、『グランパスの右サイドに森下龍矢あり』を示す。