柏レイソルに加入したブラジル人MFドッジが、浦和レッズとの試合(ルヴァンカップGS第5節)で初めて90分間プレーした。チームはアディショナルタイムに追いつかれて勝利を逃したが、そのプレーはインパクト十分。攻守に働くボランチとして今後を大いに期待させるものだった。

上写真=浦和戦で先発フル出場を果たした柏のドッジ(写真◎J.LEAGUE)

早く順応し、期待に応えたい

 浦和戦でドッジは加入以後初めて90分プレーした。コンディションが日増しに上がっているのは間違いない。ボランチとして縦横無尽に動き回り、攻守両面に積極的に関わった。とりわけ目を引いたのが縦に打ち込む鋭いパスだ。

 アンジェロッティが登場して前線でボールが収まるようになり、仲間隼斗がシャドーに入って攻撃がスムーズに展開できるようになった後半。ドッジの持ち味がよりいっそう発揮された。苦も無く縦パスを入れてはチームを前進させていく。攻撃のテンポが上がり、相手陣でプレーする時間を増やしていった。

「アンジェロッティが入ることで前線にターゲットができて、クサビのパスを入れたり、縦のボールを入れることができました。彼がボールをキープして時間をつくってくれたことで、全体を押し上げることができた。リズムをつかめたと思います」

 ネルシーニョ監督は試合のリズムやテンポの重要性についてよく口にする。それを変えられるのが、ドッジというプレーヤーだろう。加入後3試合目で、その力をしっかり示してみせた。

「フィジカルコンディションはこれまでの2試合よりも良くなっています。自分にとって久々に90分間プレーすることになりましたが、とても良かった。チーム全体としても良いゲームができたと思います。残念ながら終盤に2失点してしまいましたが、試合はこの後も続きます。次に向かって良い準備をしたい」

 アディショナルタイムに相手の勢いに屈し、2失点して勝ち切れなかったことを悔んだ一方で、ドッジは次の試合に目を向けた。攻守に働ける『リズムチェンジャー』は、コンディションが向上すれば、さらに質の高いプレーを見せられると自信を示した。

「自分自身はまだまだこれからコンディションを上げていかなければいけないと思っています。その中でネルシーニョ監督からは、かなり自由を与えてもらっていますし、もっと前線の選手と連係して、ゲームメイクの役割を果たしたい。貢献できるように頑張っていきたいし、できるだけ早く日本のサッカーに順応して、期待に応えたいと思っています」

 ブラジルからやって来たボランチが本領をフルに発揮するまで、それほど時間はかからないだろう。必然的に、チーム内のポジション争いは熾烈になり、競争力が高まっていく。ゲームのリズムやテンポを変え、チームにポジティブな変化ももたらすニューカマー、ドッジ。柏に、頼もしい男が加わった。