柏レイソルは5日、ルヴァンカップGS第5節で浦和レッズと対戦。先行を許すも途中出場のアンジェロッティの活躍で一時は逆転に成功した。最後は追いつかれてしまったが、新戦力のブラジル人FWの活躍は、チームにとってポジティブな材料になった。

上写真=CFで高水準のプレーを披露したアンジェロッティ(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月5日 JリーグYBCルヴァンカップGS第5(@三協F柏/観衆3,775人)
柏 3-3 浦和
得点:(柏)アンジェロッティ2、古賀太陽
   (浦)キャスパー・ユンカー、伊藤敦樹、関根貴大

ペドロ・ハウル負傷で急きょ出場

 前半終了間際に1トップを務めていたペドロ・ハウルが負傷交代し、アンジェロッティは急きょ、ピッチに登場することになった。1点を追いかける状況だったが、デビュー後初めて1トップを務め、その持ち味を発揮した。

 後方から送られるボールを相手DFを背負いながらしっかり収めると、サポートに来た2列目の選手にボールを確実に落として攻撃を展開させていく。ペドロ・ハウルがなかなか基準点になれず、しばしば攻撃が滞っていた状況から一転、アンジェロッティの安定したポストワークで、柏は後半に入るとスムーズな攻めで相手ゴールに迫るようになった。

 収めて落とすだけではない。アンジェロッティは、自ら決めてゴールゲッターとしての本領も発揮した。59分のFKの場面。左から送られたボールにタイミングを合わせてジャンプすると、しっかり頭を振って、ゴールに叩き込んだ。

「サイドでも監督から求められれば、チームに貢献したいと思います。ただセンターで攻撃的な役割を果たすことが自分の中で一番適していると思う。これからもそういう機会があれば、もっともっと自分の力を発揮していきたい」

 67分には、仲間隼斗がボックス内で得たPKのキッカーを務め、冷静にGKの逆を突いて2点目をマーク。さらに84分にもチームの3点目にも絡んだ。アンジェロッティ、古賀太陽、仲間とつなぎ、相手ゴール前の混戦の中で最後は古賀が蹴り込んだ。

「本職はセンターフォワードです。ただし、私自身はただ突っ立ってボールを待つのではなく、動きながら周りの選手と連係してチームの貢献するタイプ。今日は2ゴールを挙げ、3点目にも絡めたので、うれしいです」

 アディショナルタイムに2点を決められ、勝利を手にすることはできなかった。しかしながらネルシーニョ監督が「失ったものよりも手にしたものが多い」と振り返ったように、柏にとっては実りの多いゲームになった。その最たるものが、アンジェロッティが1トップで高水準のプレーを披露したことだろう。

 急きょの出場ではあったが、コンディションは上向きで、周囲の選手との呼吸も合ってきた。23歳のストライカーはこの日、自らの力と可能性を存分に示してみせた。