明治安田生命J1リーグ第12節で行われた今季初の大阪ダービー。リモートマッチで行われた90分は一進一退の攻守が続く中、ともに前半から負傷者が出て交代を余儀なくされるなど難しいゲームに。セレッソ大阪が中島元彦のゴールで先制しながら、ガンバ大阪がPKを獲得、パトリックが決めて、41回目の決戦は7度目のドローに終わった。

上写真=無観客で行われた大阪ダービーは一歩も譲らずに1-1のドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月2日 明治安田生命J1リーグ第12節(@ヤンマー/リモートマッチ)
C大阪 1-1 G大阪
得点:(C)中島元彦
   (G)パトリック

「引き分けは妥当な結果だと思います」

 セレッソ大阪とガンバ大阪が激突する大阪ダービーは、今回で41回目。今季最初の一戦はC大阪のホームで行われたが、大阪府に緊急事態宣言が発出されているため、リモートマッチ(無観客試合)での開催となった。

 レヴィー・クルピ監督が試合前に「何が起こるか分からない」と予言したように、前半から両チームに負傷者が出る事態となった。C大阪の大久保嘉人が左ももを痛め、これがデビューとなるアダム・タガートへ交代したのが23分。G大阪も右足を痛めた小野瀬康介に代わって、34分にチアゴ・アウベスが入った。

 ゲームの空気を引き締めたのは、両GKのファインセーブだ。9分にC大阪がFKからのボールを大久保が至近距離から狙うが、GK東口順昭が右足でブロック。16分のC大阪の清武弘嗣の強烈なハーフボレーミドルも東口がセーブした。25分にはG大阪がCKの流れから最後は矢島慎也が流し込もうというところを、GKキム・ジンヒョンが左足でストップしてみせた。35分にはC大阪の藤田直之の鋭いミドルシュートに東口が横っ飛びで反応した。

 45分にはVARチェックのあとのオンフィールドレビューによってC大阪がPKを獲得。豊川雄太が左を狙ったが、左ポストに当たってはじき出された。両チームとも決まりそうで決まらない展開が続いた。

 後半に入っても一進一退の攻防は続く。それでも、これまでスコアレスドローが一度もないこの対戦だ。まずはC大阪が口火を切る。74分、清武の浮き球のパスは豊川雄太の頭に当たってはね返るが、拾った藤田直之が左に送り、中島元彦がシュート、DFに当たってややコースが変わるとゴール右に飛び込んでいった。

 この直後にG大阪は一気に3人を代えて反撃に出る。すると、80分にVARによって主審がハンドを認めてPKを獲得。これを3人同時交代で入っていたパトリックがゴール左に決めて、同点に追いついた。

 ここからは押し込むG大阪とカウンターを狙うC大阪という様相で進んだが、このままタイムアップ。大阪ダービー7度目のドローに終わった。

 C大阪のレヴィー・クルピ監督は、この結果にある意味で納得。「両チームのパフォーマンスを考えると、引き分けは妥当な結果だと思います。ともに選手の能力を考えれば攻撃でいいものを出せるチームなので、その点で言えば妥当です」とロースコアの引き分けを認めるほかなかった。

 G大阪は4-3-3システムに戻してのダービーとなった。宮本恒靖監督は「いまの状況やダービーであることを考えると勝ち点3を取りたかったですから、悔しさはあります」とドローには不満足。「ただ、アウェーでリードされてという難しい部分で、選手がしっかり取り返してくれたのは評価できます」と逆転には至らなかったものの、勝ち点1の重みも感じていた。

写真◎J.LEAGUE