横浜F・マリノスは1日、敵地でFC東京を3-0で破った。その3ゴールを記録したのがセンターフォワード(CF)を務めたオナイウ阿道だ。3試合連続となる得点で勝利に貢献し、今季のリーグ戦では8ゴールを積み上げた。鋭いきゅう覚と決定力でチームをけん引している。

上写真=FC東京戦でオナイウ阿道はハットトリックを達成し、勝利に貢献した(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月1日 明治安田生命J1リーグ第12節(@味の素ス/リモートマッチ)
FC東京 0-3 横浜FM
得点:(横)オナイウ阿道3

CFが点を取ればチームが勢いづく

 FC東京戦では3ゴールを集め、ハットトリックを達成。脅威の決定力を示し、チームの勝利に貢献した。ここ3試合で5得点。今季のリーグでは通算8得点。ルヴァンカップで挙げている3ゴールも合わせれば、11得点とゴールラッシュを演じている。

 ハットトリックはJ1では初めてのこと。2019年に大分で2ケタ得点を記録し、昨季横浜FMに加入。しかし、リーグでは4ゴールに留まり、力を発揮し切れなかった。今シーズンを前に実施したインタビューでは「もっと自分自身のことを分かってもらうことが必要。僕自身、個人で打開するタイプではない。周りに生かされて、周りを理解して結果を出すタイプだと思います。だから、これまで以上にコミュニケーションを取っています」と話していた。

 その成果が今、しっかり表れている。この日は、エウベルからのクロスの到達点にポジションを取り、2度ネットを揺らした。

 まずは1点目。「エウベルがフリーでボールを持っていたので、キーパーとDFの間に入ることを意識しました。前に行くフリをしてDFの背中を取れたのがよかった」。そして2点目。「エウベルが崩してくれて、ボールに触れられそうな場所へ行くためにCBと駆け引きして、それが得点につながったと思います」。エウベルの突破力も見事だったが、仲間のプレーを予測し、ゴール前で駆け引きしてポジションに入ったオナイウ阿道の動きもまた、見事だった。

 さらに、3点目はこぼれ球に反応。「マルコス(・ジュニオール)が受けたときに後にエウベルがいるのは分かっていたので、自分が逆に走ればスペースができると思いました。エウベルが決められたら良かったのですが、こぼれたところにうまく反応できました」。チームメイトのプレーとゲームの流れを把握できているからこその得点だった。

「今日は3ゴールで勝利に貢献できました。それがうれしい。Cや攻撃の選手が点を取って勝つことは、チームが勢いが出る要素。後ろもゼロに抑えてくれましたし、点を取れたのは僕だけの力ではなく、チーム全体の良さが分かりやすく出た試合だったと思います。点を取ったのはみんなのおかげですし、まだまだ伸ばせる部分もあるので、これを続けていきたい」

 さらなるゴールラッシュと貢献を誓ったオナイウ阿道。今季の目標としてJ1での2ケタゴールを掲げていたが、11試合を終えた時点で8ゴール。目標達成は時間の問題と思われる。もはや、それは通過点だろう。目標を上方修正し、チームの勝利のために引き続き先頭に立って戦っていく。