上写真＝得意のヘッドを磨き上げる。藤原優大が「埼スタプロデビュー」を果たした（写真◎J.LEAGUE）
■2021年4月28日 JリーグYBCルヴァンカップ第4節（＠埼玉/観衆4,231人）
浦和 0-0 湘南
「やっとここまで来たか」
ついに「浦和レッズの藤原優大」として、埼玉スタジアムのピッチで躍動した。青森山田高の一員として、高校選手権では何度も戦ってきた思い出のスタジアム。その場所で、今度はプロとして、ホームチームのメンバーとしてフル出場した。
「埼玉スタジアムという舞台で浦和レッズのエンブレムをつけてピッチに立てたことは、感慨深かったです。やっとここまで来たか、やってやろうという気持ちになりました。この舞台で力を出せなければ、いままで何をやってきたのかという気持ちでした」
序盤から湘南ベルマーレが圧力をかけてきて、最後尾からボールをつないで運ぼうとする浦和のパスを狙って分断しにかかってきた。4バックのセンターを阿部勇樹と組んだ藤原はボールを足元に置く機会が多いから、プレスを外して前につけていく作業に追われた。プロ1年目というだけではなく、リカルド・ロドリゲス監督のスタイルを自然に自由に表現するために、奮闘する日々だ。
「最初は戸惑いというか、やっているサッカーを自分ができるか疑問は大きかったですけど、いまは徐々に慣れてきて最初にやっていた頃よりは足元の部分や戦術の部分は少しずつ理解してきています。でも、まだまだほかのセンターバックの選手たちには追いつくレベルにないと思っていますし、前向きな気持ちを持ってやっていかなければと思っています」
それでも失点はゼロに抑えた。前回の同じルヴァンカップの湘南戦に続いてフル出場で完封と、一歩ずつ進んでいる。
「自分は前に強くアタックするタイプなので、行ったあとの後ろをカバーしてくれますし、自信を持って行っていいと言われて、出て行きやすいです」とは、コンビを組んだ阿部やサイドバックの宇賀神友弥といったベテランへの感謝。その宇賀神はこの日、途中から入ってきた湘南のストライカーとのバトルを引き合いに出して「ウェリントンの上からたたくヘッドを見せてほしいですね」と期待の言葉を授けた。
「今日は負けてないですからね。そこはやっぱり自分のストロングですし、毎日ヘディングの練習をしながら武器を磨くためにどうすればいいかやっているし、ヘディングを一番の武器としてさらに伸ばして、ウェリントンの上からたたきたいと思います」
埼玉スタジアムで手にした新たな自信。湘南と次に対戦するのは6月20日のJ1第18節だ。もしそこで出番を得て、ウェリントンと対峙したら、面白いバトルが見られそうだ。もちろん、ウェリントンだけではなく、すべての対戦相手の頭上から自慢のヘッドでたたきつけるつもりだろうが。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE